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ロックはアメリカで誕生したかもしれないが、音楽のルーツということになると、国全体が文化的健忘症になりたがるようだ。さもなければ、ヴァインズやハイヴズのような海の向こうの、新たなエネルギーを持った90年代のグランジ/パンクや80年代のニューウェイヴ・バンドのリサイクルが、皮肉にも自分たちがロックの救世主のように感じることはないだろう。スウェーデンのシーザーズは自分たちの魂を救いはしない。実際は、彼らの60年代ガレージ・ロックの仕掛けは二重にリサイクルされたようだ。12曲のうち、7曲までが1998年に出したものの再録だ。精神的な先祖、スウィンギン・メダリオンズやミステリアンズを誇らしく演じていないとは言えない。ファルフィッサのクローンのように叩かれるオルガン、崩れるようなギター、似合いの俗物的なヴォーカルで、彼らはエンド「Out of My Hands」のシャープなカバーを好ましく鳴らし、元気のある曲「Jerk It Out」、「Sort It Out」、「You're My Favorite」から、不気味な曲「Suzy Creamcheese」まで聞かせている。
現代のスウェーデンのバンドが60年代アメリカのガレージ・パンクと80年代のUKニューウェイブ人気を再燃させていること以外に本作品に皮肉があるとしたら、それはシーザーズが次々に癖になってしまうロック魂で大半を埋めてしまっているところだ。(Jerry McCulley, Amazon.com)