ゲームのほうが先にあるのだけど、同じ材料を使って別のものを作ったという感じを受ける。ゲームでは台詞を文字で表せるぶん小説のように想像をふくらませることができる。一方アニメだと伝えられる情報が画像と音声に限られる。情報量はゲームの方が多いわけだ。だからアニメという媒体でこの作品を描くなら、ゲームでは描けないディテールを見たいと思うのだ。ゲームが気に入っている人間からすると。
設定は微妙に変えられている。もしくは省かれている。5121小隊の中心となるメンバー以外の、のこり半数のメンバーは出てこない(端役で少し出てくるのもいるが)。が、それは話の長さの関係でしょうがないのかもしれない。
気になったのは人物の性格がかなり違っていることだ。まじめなかんじの女の子が、はすっぱになっていたり(しかも同性愛になってる!)、猫が服を着てなかったり(あれじゃただの猫と変わらんではないか)。そういう細部がアニメ用に変えられる必要はあったのかなと思う。
しつこくディテールの話をすると、速水と舞の性格もアニメ化されることにより微妙なずれが生じている。アニメがラブコメ中心なせいか速水はよりぽややんに、舞はゲームより少ししおらしくなっている。
ひとつ断っておきたいのは、ゲームを忠実に再現しろと言いたいのではないということ。少ない話数という制限がある以上、必要な部分以外は省略するというのもひとつの手だ。そのうえで、ゲームの世界観を土台にどんなものを作るか、というのがこの作品だろう。ゲームとアニメは違ってもいい。しかし、だからこそディテールをどう描くかが大切なのだ。
ここまで長々と書いてきてようやく星ふたつの理由を申し上げる。私はゲームを先にやったのである。先にゲームありきである。この作品をひとつの独立した作品と見なすことは私には不可能なんである。雰囲気が違いすぎるのだ。その好き嫌いに関係なく。もう少しゲームと近ければ良かった。ラブコメの代わりにもう少し熱い展開が欲しかった。
音楽がかっこよかったのと、ストーリー、メカのデザインを総合して星ふたつ。しかしぜひ見てほしいと思う。なんだかんだいっても、これもガンパレードマーチに違いないのだから。