「時間を名乗る天使」、「君とぼく」・・・アルバム終盤の美しさにはうっとりしますね。
切なくて、儚くて、愛があって、あぁ本当に解散するんだなと別れを予感させる流れ。
Cymbalsはとびきりキュートでキャッチーだけれど、
それだけに留まらない捻くれっぷりと遊び心があるバンドだった。
たとえば本作に収録されている「怒れる小さな茶色い犬」なんかはまさに従来のイメージを体現した曲で、
この曲は1st、2ndアルバムの雰囲気が好きな人なら必ず気にいるはず。
一方、終盤に配置された上記の2曲はそのイメージとは対極のところにある。
打ち込み中心になって音楽性がガラッと変わった前作とはまた別の驚きです。飾り気なく純朴というか。
この終盤のような落ち着いた雰囲気で統一されたアルバムを作るシンバルズも見たかった。
その点からいうと、ヤン富田が手がけたリミックスの「GLIDE」もその方向性にマッチしていて好きですね。
再発盤にありがちな雰囲気ぶち壊しのボーナストラックではなくて、
最後に希望を感じさせる余韻を残す曲として馴染んでるように思います。
これから聴くという人にはぜひとも再発盤をオススメしたい。