ウイーンフィルの柔らかくもメリハリのある音が抜ける様によく響くいい演奏です。 テンシュテット・ベルリンフィルとテンポ設定は似ているけど、解釈は全然違う。
自分としてはショルティの様に「表現を過度に付けずに楽譜に忠実に演奏する」方が好みなので、テンシュテットの様に「むせび泣く2楽章」や「大はしゃぎの終楽章」はちょっと苦手。 同じ意味で内田光子よりは田部京子、ポリーニよりはシフ、テンシュテットよりはショルティをつい選んでしまう訳なんです。
なお、終楽章の提示部繰り返しをやっていますが、全然長さを感じず飽きません。 最後のデクレッシェンドも上手く余韻が残り、実に自然。
「ザ・グレート入門用」としても最適だと思います。
なお、これは再版されている24ビットリマスター盤でのレビューですが、カップリングのジークフリート牧歌は意外な名演。音質も50年以上昔とはとても思えない程クリアーです。