第2次世界大戦時、ドイツ占領下のフランスの抵抗運動が
どのようなものであったのかを知ることが出来ます。
全編モノトーンのダークな画面で、異様な緊張感が支配する中で
抵抗運動に身を投じた人々の苦悩や絶望感が非情に 突き放したように綴られていきます。
登場する人間を内面的にじっくり見つめて、それを通じて
あとからストーリーがついてくるというのがフランス映画の特徴で、
あらかじめしっかりしたストーリー展開が決まっているアメリカ映画 などとは随分趣が違います。
このような作品の特徴として、本国の国民がみたらよく理解でき、 感動するのだろうけれど、
外国人からみると、よく内容がわからない という難点があります。
レジスタンスがどのような任務で、 登場人物たちがどのような立場で
地位なのかもわかりにくいです。
また、内容があまりにも暗く、裏切り者の粛正が目立つところなどは、
かつての革命を謳った組織の意味の無い総括や粛正を連想させ、
あまり気持ちの良いものではありません。
影の軍隊 [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ポール・ムーリス, ジャン・ピエール・カッセル, リノ・ヴァンチュラ, ジャン=ピエール・メルヴィル, シモーヌ・シニョレ |
言語 | フランス語 |
稼働時間 | 2 時間 17 分 |
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商品の説明
レビュー
監督・脚色: ジャン=ピエール・メルヴィル 原作: ジョセフ・ケッセル 撮影: ピエール・ロム 美術: テオバール・ムーリス 出演: リノ・ヴァンチュラ/シモーヌ・シニョレ/ジャン=ピエール・カッセル/ポール・ムーリス/クリスチャン・バルビエ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- 言語 : フランス語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4933364710673
- 監督 : ジャン=ピエール・メルヴィル
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 17 分
- 発売日 : 2003/5/23
- 出演 : リノ・ヴァンチュラ, シモーヌ・シニョレ, ジャン・ピエール・カッセル, ポール・ムーリス
- 字幕: : 日本語
- 言語 : フランス語 (Mono)
- 販売元 : 東北新社
- ASIN : B000091LFP
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 89,449位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年8月25日に日本でレビュー済み
これは驚いた!ジャン・ピエール・メルヴィル晩年の傑作、他のレビュアーの方が触れられているように、ちょっとビックリしてしまう突然の廉価化だ。この映画、既存DVDとしては、他のメルヴィル作品同様東北新社が販売権を持っており、現在は廃盤になっていた筈だ。それがこの安価、ヴィデオ・レンタル店でも滅多にお目にかかれない作品だけに、映画ファンなら是非この機会に、とお薦めしたいが、ただ気になるのは、版元がハリウッド・メジャーであるユニバーサルである事。以前VHSヴィデオとして出回った際のソフトが全米公開用の英語ヴァージョン(しかも30分短縮版!)だった事からすると、ひょっとしたら今ソフトもオリジナル版ではなくその可能性がある事は踏まえておく必要がある(因みに仏オリジナル本編は137分)。映画は第二次世界大戦当時ナチス占領下のフランスに於けるドゴール派のレジスタンス組織の活動を全編ドライでストイックに貫かれたタッチで淡々と描き続ける孤独とニヒリズムが充満する傑作なのだが、その冷徹で粛々とした“日常”がズタズタにカットされ、リノ・ヴァンチュラやシモーヌ・シニョレが英語に吹き替えられているとしたらちょっと興ざめ。今パッケージのタイトルが英語名なのが気になる処だが、、、。購入前に是非確認される事をお薦めする。
2014年5月15日に日本でレビュー済み
今作やコスタ・ガヴラス監督の三部作、もう一つ加えるなら「黒い警察」、まだまだ沢山あるが共通するのは娯楽性を一切排除した欧州製社会派映画。
観終わった後に残るものは疲労感、空しさ、切なさ、遣る瀬無さ。そして己自身の無力さ。
『映画観てそんな気持ちになってちゃ、意味ないじゃん』と思われるかもしれないが、時にはそういう気分に浸るのも悪くはない。
1942年10月20日のナチス独逸占領下の仏蘭西。
土木技師のフィリップ・ジェルビエ(リノ・ヴァンチュラ)は危険分子として独逸軍に逮捕される。
送られた収容所にはジェルビエと同じような対独逸レジスタンスの闘士達(今作に限れば闘士と言う言葉は相応しくないかも)が収容されている。
収容所で同部屋になったルグラン(アラン・ドコク)と脱走計画を綿密に立てたジェルビエだったが、仲間の密告によりパリのゲシュタポ本部へ身柄を移されてしまう。
処刑寸前のジェルビエは『すみません、タバコを一本』と見張りの警備兵に近づいて一撃で殺し、何とか脱走に成功する。
マルセイユで仲間のフェリックス(ポール・クローシェ)らと合流したジェルビエは自分を独逸軍に売ったドナ(アラン・リボルト)を処刑するのだった。
この後も仲間の裏切り、粛清とイタチゴッコが描かれ、ハリウッド製作の戦争映画に登場する勇ましいレジスタンスのイメージは吹っ飛んでしまいます。
所詮抵抗運動なんてものは華々しいものではなく、ナチスの追跡や仲間の裏切りに対し常に怯えながら、結局何をやっているのか解らんというのが実態でしょうか。
エンディングで紹介される登場人物たちのその後を見ても、レジスタンス=影の軍隊と言うほどカッコいい代物じゃありません。
ジョセフ・ケッセルの原作に加え、戦時中はジャン=ピエール・メルヴィル監督自身もレジスタンスに属していたので、ほぼほぼ実話に近いんでしょう。
メルヴィル監督の作品は冒頭に必ずと言って良い程引用文が映し出されるが今作も同様。
「悪しき思い出もまた懐かしきなり」仏蘭西語はチンプンカンプンなので、日本語訳が正しいのかどうか私には解らないが、ネットで調べた限りかなり意訳されているよう。
リノ・ヴァンチュラを含め、出演者は皆当然のことながら迫真の演技。
中で女傑マチルダ役を演じた紅一点?シモーヌ・シニョレが素晴らしい。
この人ほどどの作品でも圧倒的な存在感を示す女優さんはいないでしょう。
私は美人女優が大好きですが、この人だけは別物です。今の仏蘭西映画界には彼女の様な人は見当たりませんね。
ちなみにナタリー・ドロンも端役(ジャン=ピエール・カッセルの友人役)で出演しているらしいのですが、私には解りませんでした。
裏切り者や密告者は粛清を、つまり容赦なく処刑する。人の命など虫けら同然。これって理由・目的は違えどナチスがやっている事と五十歩百歩と言えなくもない。
このような作品を観た後は、心のリハビリが必要です。それじゃぁ香港製カンフー映画でも観るかな?!
観終わった後に残るものは疲労感、空しさ、切なさ、遣る瀬無さ。そして己自身の無力さ。
『映画観てそんな気持ちになってちゃ、意味ないじゃん』と思われるかもしれないが、時にはそういう気分に浸るのも悪くはない。
1942年10月20日のナチス独逸占領下の仏蘭西。
土木技師のフィリップ・ジェルビエ(リノ・ヴァンチュラ)は危険分子として独逸軍に逮捕される。
送られた収容所にはジェルビエと同じような対独逸レジスタンスの闘士達(今作に限れば闘士と言う言葉は相応しくないかも)が収容されている。
収容所で同部屋になったルグラン(アラン・ドコク)と脱走計画を綿密に立てたジェルビエだったが、仲間の密告によりパリのゲシュタポ本部へ身柄を移されてしまう。
処刑寸前のジェルビエは『すみません、タバコを一本』と見張りの警備兵に近づいて一撃で殺し、何とか脱走に成功する。
マルセイユで仲間のフェリックス(ポール・クローシェ)らと合流したジェルビエは自分を独逸軍に売ったドナ(アラン・リボルト)を処刑するのだった。
この後も仲間の裏切り、粛清とイタチゴッコが描かれ、ハリウッド製作の戦争映画に登場する勇ましいレジスタンスのイメージは吹っ飛んでしまいます。
所詮抵抗運動なんてものは華々しいものではなく、ナチスの追跡や仲間の裏切りに対し常に怯えながら、結局何をやっているのか解らんというのが実態でしょうか。
エンディングで紹介される登場人物たちのその後を見ても、レジスタンス=影の軍隊と言うほどカッコいい代物じゃありません。
ジョセフ・ケッセルの原作に加え、戦時中はジャン=ピエール・メルヴィル監督自身もレジスタンスに属していたので、ほぼほぼ実話に近いんでしょう。
メルヴィル監督の作品は冒頭に必ずと言って良い程引用文が映し出されるが今作も同様。
「悪しき思い出もまた懐かしきなり」仏蘭西語はチンプンカンプンなので、日本語訳が正しいのかどうか私には解らないが、ネットで調べた限りかなり意訳されているよう。
リノ・ヴァンチュラを含め、出演者は皆当然のことながら迫真の演技。
中で女傑マチルダ役を演じた紅一点?シモーヌ・シニョレが素晴らしい。
この人ほどどの作品でも圧倒的な存在感を示す女優さんはいないでしょう。
私は美人女優が大好きですが、この人だけは別物です。今の仏蘭西映画界には彼女の様な人は見当たりませんね。
ちなみにナタリー・ドロンも端役(ジャン=ピエール・カッセルの友人役)で出演しているらしいのですが、私には解りませんでした。
裏切り者や密告者は粛清を、つまり容赦なく処刑する。人の命など虫けら同然。これって理由・目的は違えどナチスがやっている事と五十歩百歩と言えなくもない。
このような作品を観た後は、心のリハビリが必要です。それじゃぁ香港製カンフー映画でも観るかな?!
2017年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
暗く、地味で、全く華々しさ、派手さのない対独レジスタンスの活動が、見事な構図とメルヴィル・ブルーと呼ばれる映像美の中で、抑制された演出、演技で克明に描き出される。
で、物語のメインが、裏切り者を殺すこと。
さらに、その相手が、いちばん殺したくない人なわけで。
いたずらにナチスの暴虐を煽ってレジスタンスを英雄視するのではなく、極めて冷静かつ、
哀切のこもったまなざしでこの不幸な時代をフィルムに写し取った名作。
高画質なブルーレイで蘇り、感謝感激です。
本物を知ってる監督の作る映画は、やっぱり普通とは違うね。
で、物語のメインが、裏切り者を殺すこと。
さらに、その相手が、いちばん殺したくない人なわけで。
いたずらにナチスの暴虐を煽ってレジスタンスを英雄視するのではなく、極めて冷静かつ、
哀切のこもったまなざしでこの不幸な時代をフィルムに写し取った名作。
高画質なブルーレイで蘇り、感謝感激です。
本物を知ってる監督の作る映画は、やっぱり普通とは違うね。
2011年8月8日に日本でレビュー済み
フランス語かと思ってみてみたら、英語だったが、フランス語が分からない当方としてはむしろ歓迎だった。
冒頭で映画の内容が実話であることが明示される。ストーリーは1942年ナチスによるフランス占領時の非合法レジスタンス活動が、淡々と描かれる。裏切った仲間の処刑や、尋問で情報をもらした仲間の射殺など、組織の持つ非情な面も描かれているのは良いところだが、あまりに淡々とし過ぎていて盛り上がりに欠ける。画面も(物理的に)暗い場面も多いので、見ていて退屈もする。それに占領軍ナチスを絶対悪として描いているので、占領協力者側ヴィシー政権の側の論理や心情が全く見えてこないのも映画として底が浅い。
「絶対悪」ナチスに抵抗したフランス・レジスタンスは往々にして英雄視されがちだが、その実態は非合法活動を肯定したテロ組織であることが良く分かる。
冒頭で映画の内容が実話であることが明示される。ストーリーは1942年ナチスによるフランス占領時の非合法レジスタンス活動が、淡々と描かれる。裏切った仲間の処刑や、尋問で情報をもらした仲間の射殺など、組織の持つ非情な面も描かれているのは良いところだが、あまりに淡々とし過ぎていて盛り上がりに欠ける。画面も(物理的に)暗い場面も多いので、見ていて退屈もする。それに占領軍ナチスを絶対悪として描いているので、占領協力者側ヴィシー政権の側の論理や心情が全く見えてこないのも映画として底が浅い。
「絶対悪」ナチスに抵抗したフランス・レジスタンスは往々にして英雄視されがちだが、その実態は非合法活動を肯定したテロ組織であることが良く分かる。
2019年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
適正な購入ができたと思います。ネガティブな印象はありません。
2015年11月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
派手な撃ちあいはないもののレジスタンスが地下組織として正規軍(ドイツ軍)とフランス傀儡政権との闘いで非情な掟と鉄の意志を持って行動したことが如実に伝わってくる。
ハリウッド映画にはない渋さがある。
主演のリノ・ヴァンチュラは最初は冴えないおっさんに見えるが段々とダンディになってくるのが不思議だ。
ハリウッド映画にはない渋さがある。
主演のリノ・ヴァンチュラは最初は冴えないおっさんに見えるが段々とダンディになってくるのが不思議だ。
2011年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ストイックなエスプリを自らの作品に貫き通したジャン・ピエール・メルヴィル監督。これは日本語でいうなれば仁義あるいは任侠というべきか。そしてそのエスプリが政治的意味合いを持つ映画にまで及ぶとは。その徹底ぶりは見事というほかはない。
ナチス統治下のフランス。イギリスに亡命したドゴール政権の手足として過酷な任務をこなしていくレジスタンスのメンバーたち。投獄される者、捉えられてて拷問にあう者。一寸先は闇。それでもメンバーらは鉄の意志と過酷な掟によって団結し、黙々と任務を遂行しようとする。裏切りは決して許されない。裏切り者にあるのは死のみ。緊張と冷め切った沈黙の連続。そんな張りつめた雰囲気がブルーのトーンが支配する画面から伝わってきます。メルヴィルはどこまでも淡々とし冷淡。自らの美学をぶれることなく貫き通す。それが実によく伝わってくる。
リノ・ヴァンチュラがストイックなレジスタンスの幹部をクールに好演。義のために沈黙を守る役柄を得ると彼はひときわ光る。ギャング映画以外でもそれは光る。ずんぐりと丸まった背中が哀しい。名優シモーヌ・シニョレとの間合いが絶妙。2人が画面に収まっているだけでゾクゾクするようなメガトン級のオーラが発散されている。そこに楽しげな明るさはない。あくまでも陰鬱でブルーな沈黙がある。言葉が交わされていても静かなのである。
これだけ徹底してしまえば、これ以上どこへいけばいいのか。メルヴィル風仁義映画のこれは一最高峰。
ナチス統治下のフランス。イギリスに亡命したドゴール政権の手足として過酷な任務をこなしていくレジスタンスのメンバーたち。投獄される者、捉えられてて拷問にあう者。一寸先は闇。それでもメンバーらは鉄の意志と過酷な掟によって団結し、黙々と任務を遂行しようとする。裏切りは決して許されない。裏切り者にあるのは死のみ。緊張と冷め切った沈黙の連続。そんな張りつめた雰囲気がブルーのトーンが支配する画面から伝わってきます。メルヴィルはどこまでも淡々とし冷淡。自らの美学をぶれることなく貫き通す。それが実によく伝わってくる。
リノ・ヴァンチュラがストイックなレジスタンスの幹部をクールに好演。義のために沈黙を守る役柄を得ると彼はひときわ光る。ギャング映画以外でもそれは光る。ずんぐりと丸まった背中が哀しい。名優シモーヌ・シニョレとの間合いが絶妙。2人が画面に収まっているだけでゾクゾクするようなメガトン級のオーラが発散されている。そこに楽しげな明るさはない。あくまでも陰鬱でブルーな沈黙がある。言葉が交わされていても静かなのである。
これだけ徹底してしまえば、これ以上どこへいけばいいのか。メルヴィル風仁義映画のこれは一最高峰。