Amazonレビュー
レッド・ツェッペリンは、シングル盤をおざなりにしかリリースしなかったことからも、アルバム・バンドと言ってまちがいない。このベスト盤は、そんなツェッペリンの60年代末から70年代の作品から、独立した1曲としても最高の曲を集めている。そして、以前には別々にリリースされていたアルバム2枚を1組にまとめることで、往年のブリティッシュ・ロックのこのうえなく貴重なセットとなっている。
ディスク1「Early Days」は、最初の4枚のアルバムから選んだ13曲を年代順に並べ、ストーナー・ロックの先駆けとなった「Dazed and Confused」や、すばらしいリフの「Whole Lotta Love」、クイーンの「Bohemian Rhapsody」と並んで賞賛される数少ない曲のひとつ「Stairway to Heaven」といった名曲をそろえている。ディスク2「Latter Days」は、延々と続く最高のブルース「The Song Remains the Same」で幕を開け、はうように進むギターと神々しいヴォーカルの「No Quarter」へと続く。そして、ロック史上屈指の壮大かつ個性的なギターのフックを聴かせる「Kashmir」で勇壮な瞬間を迎える。この曲は、ディスク1の4分間の“ポップ”ソングに、まったく異なる音楽観を持ちこんでいる。
本作の唯一の欠点は、多くのベスト盤と同じく、バンドの魅力をあまさず収録する余裕がないことだ。これはツェッペリンの熱狂的なファンのあいだで論争を呼ぶはずだ。どうして3作目からたったの2曲しか収録されていないんだ? どう考えても4作目の収録曲「When the Levee Breaks」より、「Tangerine」「Gallows Pole」の方が(ツェッペリンの典型的な曲とは言えないが)重要ではないだろうか? なぜ2作目から「Ramble On」をさしおいて「What Is and What Should Never Be」を選んだのか?
だが、こうした問題は簡単に解決できる。もし本作を聴いて楽しめたのなら、ツェッペリンのオリジナル・フルアルバムを手に入れることだ。この多作を誇ったパイオニア的なロックバンドは、おおよその全体像をとらえたアンソロジーを組むのにさえ、2枚組コンピレーションではまったく足りないのだから。(David Trueman, Amazon.co.uk)
メディア掲載レビューほか
2003年のバンド結成35周年を記念した、2枚組ベスト・アルバム。1999年発売の『ベスト・オブ・レッド・ツェッペリンVOL.1』と2000年発売の『VOL.2』をセットにした初回生産限定盤。ライヴ映像を収録したCD-Extra仕様。 (C)RS