メディア掲載レビューほか
ますます音楽的な円熟度を増しているペライアが、シューベルトの最晩年の3つのピアノ・ソナタを録音。孤独で深淵な晩年のシューベルトの世界をペライアが感動的に再現している。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
ペライアがシューベルトの最後の3つのソナタ(第19番、第20番、第21番)を録音した。シューベルトの最晩年(といってもまだ30歳を超えたばかりだった)の人生への諦念に縁取られた作品が、ペライアにかかると、生への希望を感じさせる音楽となる。シューベルトの傷つきやすい孤独な心は過度にセンチメンタルに描かれたりすることがよくあるが、ペライアはシューベルトの音楽を必要以上に感情的に奏でたりしない。ペライアのシューベルト演奏は、ある意味、器楽的であり、ポジティヴな優しさに満ちている。もちろん、ポジティヴな優しさを支えているものは、ペライアの強くしなやかな精神の力であろう。シューベルトの最晩年のソナタにはこの世のものとは思えないような美しい音楽が出てくるが、そんな彼の澄み切った音楽からヒューマンな情感を引き出すところが、ペライアの素晴らしさである。ペライアの美しく丁寧なシューベルト演奏を聴くと心が癒される。 (山田治生) --- 2003年07月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)