>>>いずれそのうち、誰もがテレビ向きの名前を持つでしょう。
テレビを液晶画面に翻訳して置き換えると、それはネットのハンドルネームのことである。
いまや、ネット上での別名を持ったことのない人などいないでしょう。
認知症の老母の介護中、頻繁にノートPCからネットを見ていると、
「最近、おまえはテレビばかり見てるねー」と言われて、思わずぞっとしたことがある。
ブラウン管伝道協会は、テレビを通して高齢者と社会のつながりを促進させましょう、
そういう組織だが、いまやテレビ(ネット)があることによって、全年代の引きこもりが
可能になっている。引きこもってはいても、決して自分は社会から孤絶していない、
そう思うことができるからだ。
初見は85年ころ、訳のわからない映画だったが、映画自体にねっとりとしたリズムがあり、
見飽きることはなかった。当時は「ベータが怖くてビデオドロームができるか!」なんて
言われた時代。まだベータとVHSは、大勢は見えていたが、決着にまでは至っていなかった。
ビデオカセットによってレイプされ(プログラムされ)、暗殺者となった男が、真言呪い返しに
よって再プログラムされて、相手を滅ぼし、自らも身体的ネクストステージに旅立ってゆく、
そうしたストーリー構造は、逆によく分かった。ケーブルビデオのトランス信号で世界征服を企む
眼鏡屋(そうとしか表現できない)の社長バリー・コンヴェックス(クローネンバーグ映画常連の
レス・カールソン、残念ながら2014年に逝去)、その派遣工作員だったハーラン(ピーター・
ドヴォルスキー『ザ・キッス』にも出てます)といったクサいキャラクターが大好きでした。
怪奇幻想異次元世界でのエスピオナージュはクローネンバーグのお好みテーマらしく、
『裸のランチ』ではビデオの代わりにタイプライターの古典機クラビノーヴァを使って、
『イグジステンツ』では生体ゲームポッドを使って、同じようなエスピオナージュを
展開させています。『スキャナーズ』では、その結果が兄弟対決になりますが。
ビデオドローム [DVD]
フォーマット | 色, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | デボラ・ハリー, ジェームズ・ウッズ, デヴィッド・クローネンバーグ |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 27 分 |
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商品の説明
Amazonより
ポルノと暴力を売りにしているカナダのテレビ局社長(ジェームズ・ウッズ)の元に、ひょんなことから禁断のビデオテープが届けられる。それは、見続けると幻覚症状が起き、やがてはその人間の身体までをも変貌させてしまうという恐ろしいテープだった…。
デイヴィッド・クローネンバーグ監督の名を一躍有名にしたカルト作品。腹の中に拳銃を押し込んだり、モニターとデッキが呼応しあうかのように鼓動したりといった、彼独自の内臓感覚と、ビデオという1980年代ならではのテクノロジーを融合させた数々のグロテスクな幻想シーンが、いつしか観る者の精神まで惑わせていく。ストーリーを追うよりも、この目で体感していった方が得策といったジャンル映画の代表格。(的田也寸志)
レビュー
監督: デヴィッド・クローネンバーグ 出演: ジェイムズ・ウッズ/デボラ・ハリー
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4560128826303
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 27 分
- 発売日 : 2003/7/25
- 出演 : ジェームズ・ウッズ, デヴィッド・クローネンバーグ, デボラ・ハリー
- 字幕: : 日本語, 英語, 中国語, 韓国語, タイ語
- 販売元 : ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- ASIN : B00009QX5P
- ディスク枚数 : 1
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この映画もこの監督も昔から名前だけは知っていましたが初鑑賞です。
いやはやこれはまたとんでもなくわけのわからない映画ですね。言葉にするのがとても難しい。
ストーリーはよくわからず、シュールと言えばシュールだけど、基本的には現実的に描いています。
ホラーと言えばホラーだけど、不気味ではあっても怖いというのとは違います。
思想性が感じられたりはしますが、やっと家庭用ビデオが普及した公開当時と現在では状況がだいぶ違いますから、テレビやビデオといったものが人間の精神にもたらす影響とか言っても、今では訴求性があまり無いのではないでしょうか。
公開当時に観ていれば気に入った可能性はありますが、イマイチでした。
しかしカルト映画が好きなら、外せない作品ではあるでしょう。
いやはやこれはまたとんでもなくわけのわからない映画ですね。言葉にするのがとても難しい。
ストーリーはよくわからず、シュールと言えばシュールだけど、基本的には現実的に描いています。
ホラーと言えばホラーだけど、不気味ではあっても怖いというのとは違います。
思想性が感じられたりはしますが、やっと家庭用ビデオが普及した公開当時と現在では状況がだいぶ違いますから、テレビやビデオといったものが人間の精神にもたらす影響とか言っても、今では訴求性があまり無いのではないでしょうか。
公開当時に観ていれば気に入った可能性はありますが、イマイチでした。
しかしカルト映画が好きなら、外せない作品ではあるでしょう。
2021年11月1日に日本でレビュー済み
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当時は、まだネットなど情報を手に入れることが困難だった時代。
劇場公開前に、ビデオ発売(レンタル)された本作を見て、
田口ゆかりの裏ビデオの存在を知って、
どうしたら見ることが出来るのか?と、思い悩んでいた青春時代を思い出す。
劇場公開前に、ビデオ発売(レンタル)された本作を見て、
田口ゆかりの裏ビデオの存在を知って、
どうしたら見ることが出来るのか?と、思い悩んでいた青春時代を思い出す。
2022年6月13日に日本でレビュー済み
中学の頃、友達の家に泊まった時に、レンタルビデオ屋で借りてきて見ました。
ホラーが好きなわけではなく、思春期のガキ共は、噂に聞く例のシーンを一目見たいという気持ちが強すぎて。。。期待が大きすぎたのか、実際に見た映像は気持ち悪いの一言でしたね。
18禁解禁を夢見る思春期少年たちに、トラウマだけを植え付けてしまった罪な映画です。
ホラーが好きなわけではなく、思春期のガキ共は、噂に聞く例のシーンを一目見たいという気持ちが強すぎて。。。期待が大きすぎたのか、実際に見た映像は気持ち悪いの一言でしたね。
18禁解禁を夢見る思春期少年たちに、トラウマだけを植え付けてしまった罪な映画です。
2021年2月20日に日本でレビュー済み
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血管の浮き上がるテレビ、変形するβのビデオ、腹が裂け(女性器)それを突っ込む(男性器)、ビデオによって洗脳されていく主人公のドラッグ感覚の超変態映画です(笑)。中盤から話の筋が訳わからなくなるくらい、多分クローネングバーグ監督自身も訳わからなくなっていたんじゃないでしょうか?名手、リック・ベイカーによるアナログな特殊メイクが素晴らしい!若き日のデボラ・ハリーも美しい!主人公のジェームズ・ウッズってこういう神経質な役が似合いますよねー。ビデオドロームに侵されていく役としてはピッタリでした、マル。
※追記 その後のクローネングバーグ作品では「デッドゾーン」「戦慄の絆」「クラッシュ」が好きでした。「裸のランチ」は個人的に好きではありません。
※追記 その後のクローネングバーグ作品では「デッドゾーン」「戦慄の絆」「クラッシュ」が好きでした。「裸のランチ」は個人的に好きではありません。
2020年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非の打ち所のない、クローネンバーグの世界が炸裂しまくりの絶品。ニッキーを鞭でシバくマックスの図は、ストレス解消の代弁者的カットでしょうか(笑)
2020年2月19日に日本でレビュー済み
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映像メディアが精神に及ぼす影響や、刺激を求める顧客にあわせて過激になって行く映像業界への風刺を、クローネンヴァーグ監督独自のストーリーと映像表現で、独特なホラーサスペンスに仕上がっています。リック・ベイカーによる特殊メイクも生々しくておぞましい物になっています。
2019年11月26日に日本でレビュー済み
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何度も、見たくなる、癖になる映画である。見るたびに良くなる、個人的には、クローネンバーグ傑作作品であると思います。