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三池崇史が監督した長編映画だが、その表現の過激さ故、劇場公開が見送られ、ビデオ、DVDのみのリリースとなった。また2003年に開催された第56回カンヌ国際映画祭「監督週間」において上映され、賛否両論を巻き起こした。
字廻組構成員であるヤクザの南(曽根英樹)は、最近奇行が目立つ兄貴分の若頭・尾崎(哀川翔)をうっかり殺してしまう。途方に暮れた南が目を離したすきに死体は消えてしまい、それをきっかけにしたかのように南の周囲に奇妙な事件が次々と発生する。ついには地獄の番人・牛頭が出現。目覚めた南の股間に、死んだはずの尾崎からの「処分場で待つ」とのメッセージが入っていた。
冒頭の、チワワを撲殺する哀川翔から始まり、全編不気味で恐怖感を煽る描写のつるべ打ち。確かに三池監督のタッチが色濃く出た作品と言えるが、必然性なく、ただいたずらにそうした描写を楽しんでいるだけにも見えてしまう。それでもこの作品が2時間9分という上映時間を一気に見せ切ってしまうのは、人間が本質的に持つ不安感と破壊願望を刺激してやまないからだろうか。(斉藤守彦)
レビュー
極道映画とホラー(というよりもおかしな世界に入り込むという『世にも奇妙な物語』風)が合体した三池監督ならではの怪作。三池作品なのでまともな登場人物は一人も出てこない(笑)。奇行の目立つ兄貴分をつい殺してしまった極道が奇妙な世界“名古屋”に入り込む。シュールでヘンテコリンな出来事が次々と起こるが、丹波哲郎、火野正平、加藤雅也という通称“悶絶オール・キャスト”の豪華な俳優陣が怪演を見せ、だんだんとこの変な世界にハマっていく……。なかでも死んだ兄貴の哀川翔が転生した吉野きみ佳(この設定だけで観たくなるでしょ?)がメチャメチャ色っぽくて魅力的。主題歌も最高だし、一発ギャグの連続のようなメイキングも最高におもしろい! (竹之内円) --- 2003年09月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
監督: 三池崇史 脚本: 佐藤左吉 出演: 哀川翔/吉野きみ佳/曽根英樹/石橋蓮司
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)