レビュー
なんともうメジャー・デビュー10年。今まで人気が落ちなかったのも奇蹟だが、逆にピークもまだないってことで、そういう中庸さ加減もケミカル・ブラザーズらしいかも。しかしこのDVDでは、マンチェスター育ちのダンス・ミュージックの意外な底力が、そこかしこにうかがえるのが面白い。彼らの音楽にプログレを見出した鬼才ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズの傑作PVはもちろんのこと、特典映像のライヴがいかにも“ハシエンダ”世代を思わせるサイケデリック全開で、アルバムよりミックスCDがはるかに面白かった彼らならではの真価発揮か。これは“デジ・ロック”(死語)なんて生易しいもんじゃありません。すごいメンツのインタビューも必見。 (鷺沼晶良) --- 2003年11月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)