今更ですが、TALIはいい曲です。
そのまま聞けば、
ごく普通にいろんなことがあった二人が幸せになろうとするラブソングなんですが、
底に流れるのはあやうさや不確実さ。
信じているのは君だけだと言ってしまえる寂しさ。
(嘘なら寂しいし、本気ならもっと寂しい。
他に信じられるものがないと言いきっているのと同じなので)
積もうね、積もうねと言いながら、漠然とした不安がそこにあって、
ポジティブさや明るさはそこになく、
ああ、この二人は何かの理由でダメになっちゃうかもなあという予感。
イエモン時代から吉井さんの歌詞にはマイナスの要素が入っていて、
だからこそ陰影の強い、人を引き付ける曲になっているのを感じます。
音楽的に吉井さんに心酔している人も多いと思いますが、
吉井さんの素晴らしさの一つはやっぱり詩です。
俺の詩には意味がない、そんなことはないですよ。
ちょっと胸が痛くなったり、おいおいと思うものもありますが。
その時々の吉井さんが現れたシンプルでストレートな詩は、伝わるものが多いです。
ただ、これだけ完璧な曲を作っちゃったのに、
シーサイドミックスは余計だった印象がありますが。