座頭市地獄旅 [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | 子母沢寛, 成田三樹夫, 勝新太郎, 三隅研次, 林千鶴, 伊藤大輔, 岩崎加根子 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 27 分 |
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商品の説明
Amazonより
シリーズ第12作目。富士の初日の出を拝もうと旅に出た座頭市(勝新太郎)は船の中で将棋好きな浪人・十文字(成田三樹夫)と知り合った。やがて市は、父の仇をさがして旅を続ける病身の若侍(山本学)らと出会い、彼らの仇の相手が十文字であることを知る…。
監督はシリーズ3度目の三隅研次。また今回は戦前戦後の時代劇の巨匠・伊藤大輔が脚本を担当しており、将棋や釣りといった要素をアイテムも巧みにドラマに取り入れながらの緊迫感漂う内容になっている。特に市と十文字が脳裏で将棋を指しながら、対決の機会をうかがうあたりの描写は、本作の白眉たる名シーンに仕上がっている。名優・成田三樹夫の存在感は、カツシンに一歩も引けをとっていない素晴らしさであった。(的田也寸志)
レビュー
監督: 三隅研次 原作: 子母沢寛 脚本: 伊藤大輔 撮影: 牧瀬地志 出演: 勝新太郎/成田三樹夫/林千鶴/岩崎加根子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83 g
- EAN : 4988013573109
- 監督 : 三隅研次
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 27 分
- 発売日 : 2003/10/16
- 出演 : 勝新太郎, 成田三樹夫, 林千鶴, 岩崎加根子
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : ポニーキャニオン
- ASIN : B0000C9VHC
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 221,750位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,142位日本の時代劇映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
斬り合いの場面ももちろんあるが、それよりも素浪人やそれを狙う敵討ちの一行、親子連れなどとの交流に焦点のあるストーリーになっている。
丁半博打の場面も複数あるが、そのうちの一回は破傷風にかかった娘子の治療費を稼ぐためのものだった。
全体にヒューマンな色合いが濃く出ているのが本作の特徴だ。
シリーズが長くなってくると、こうした変化球の作品も登場することになる。
ただ、スカッとしたい向きには少々物足りないかもしれない。それでも作品の水準は保たれているように思う。
残念な点と言えば、座頭市に惚れる女が本作では必ずしも魅力的とは言い難い点だ。個人的には悪女でも良いので、奮いつきたくなるような女優に登場してもらいたい。そう思うのは自分だけだろうか。
丁半博打の場面も複数あるが、そのうちの一回は破傷風にかかった娘子の治療費を稼ぐためのものだった。
全体にヒューマンな色合いが濃く出ているのが本作の特徴だ。
シリーズが長くなってくると、こうした変化球の作品も登場することになる。
ただ、スカッとしたい向きには少々物足りないかもしれない。それでも作品の水準は保たれているように思う。
残念な点と言えば、座頭市に惚れる女が本作では必ずしも魅力的とは言い難い点だ。個人的には悪女でも良いので、奮いつきたくなるような女優に登場してもらいたい。そう思うのは自分だけだろうか。
2013年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さすがに、勝新太郎の座頭市です。座頭市は、やっぱり勝新ですね。
2012年3月18日に日本でレビュー済み
いいですねー。なんとも。勝新VS成田さん。
なんともいえない料理の旨さを感じます。
物語進行脚本、ちょっとずれたところもあるのですが、
面白い作品には間違いはございません。
この主役、仇役いてこそのキンチョーのバランスがたまりません。
バランスがいつどんな瞬間に傾くか。
その地点に向かい物語は進行するのです。
臨界に達した瞬間!
これぞみるべき映画の醍醐味でありませんか!
たまりませんよ。
「俺は泥みたいな男だ」、
なんて台詞はおそらく今の俳優さんではなんとも
できないだろうなー。
「凄味」を味わう大人の映画です。
なんともいえない料理の旨さを感じます。
物語進行脚本、ちょっとずれたところもあるのですが、
面白い作品には間違いはございません。
この主役、仇役いてこそのキンチョーのバランスがたまりません。
バランスがいつどんな瞬間に傾くか。
その地点に向かい物語は進行するのです。
臨界に達した瞬間!
これぞみるべき映画の醍醐味でありませんか!
たまりませんよ。
「俺は泥みたいな男だ」、
なんて台詞はおそらく今の俳優さんではなんとも
できないだろうなー。
「凄味」を味わう大人の映画です。
2020年9月8日に日本でレビュー済み
本シリーズの第一作から座頭市は、殺るか殺られるかの極道、つまり、地獄の道を歩いているのだから、ことあらためて「地獄旅」を名乗ることもないと思う。江戸時代、箱根の「大涌谷」は、「地獄谷」と呼ばれていた。これを「地獄旅」にかけている。
2015年6月2日に日本でレビュー済み
シリーズ第12作目である。今回はこれまでのような居合い斬りで座頭市を超人的に描くのではなく、旅芸人との交流や仇討の介入などを通じてサポートする市を人間らしく捉えている。その意味でも原点回帰したような作品となり、娯楽色が薄れる分を人間描写で補うような形に仕上げた伊藤大輔の脚本を三隅研次が緩急自在に演出している。
前半が軽率な行為で大怪我をさせた幼女を救うべく奔走する市を描く。難儀して得た薬を湿地帯で失う焦りと喪失感の先に齎される安堵感。そして苦労が報われ病気が快復すると、傍らで見守る市に感謝の気持ちを自分なりに何とか伝えようとする少女の健気な姿には市でなくとも泣けてくる。実は今回観直してこの幼女の存在が極めて大きいように思える。子供の純粋な心と結び付いた事が自制心のように働き必要最小限に殺生を留めているように見えるのだ。
お種が市への想いを募らせていく過程も、子供の純真な心に感化された市の姿を見てからイメージが変わってゆく。子供を通して市に傾倒していく気持ちが一層強くなると、後半でその心中を吐露するに至り衝動的に手に噛みつく行為となって抑えられない感情を痕跡として残そうとする。この女の情念を感じさせる心憎い演出は恐らく伊藤大輔の脚本だろう。
その一方で謎の浪人との係りも怠りなく描く。市への復讐でヤクザ2人が宿を襲撃するが、この時居合わせた十文字が思わず自分が狙われたのではないかと告白し、自ら追われる身である事を無意識に漏らしている。更に遡って始めて船上で将棋を指した時に十文字という偽名が仇討を連想させてしまい動揺する。勝負の待った無し状況で鼻を擦り指を鳴らす特徴が既にこの時伏線のように張られている。
その後、市が浮子を見つけて戻った時に十文字は明らかに異変を察知し、障子越しに様子を伺い刀に手を伸ばす緊迫した空気を感じ取った両者の心理状態は、山道を歩きながら頭の中で将棋を指す最終対決まで持続する。詰め手を欠き追い込まれた市が起死回生に見せた浮子。その瞬間に形勢逆転する鮮やかな斬り合い。兄妹の仇討を手助けした市の姿に子供の眼を意識している様子が見て取れる。
【雑感】
市が最後に追手5人を片付けると、女の子が市の下駄を拾いに行き、そして挟まった石を外して履かせる。一見何でもないように見えるこの場面。実はこの時に市が応える “ありがと” には病気が快復した事を “おじちゃん、ありがと” という表現で懸命に伝えようとした子供の真心に触れた時の市の心情が素直に反応したように見えるのだ。
子供の嘘偽りの無い純粋な行為が互いの思い遣る気持ちを感じ取れるような場面となって結実するこのラストに、市と子供の関係が解るような形で表現した伊藤大輔の想いが伝わり、別れがいつも以上に感動的となって胸に迫るものがある。
前半が軽率な行為で大怪我をさせた幼女を救うべく奔走する市を描く。難儀して得た薬を湿地帯で失う焦りと喪失感の先に齎される安堵感。そして苦労が報われ病気が快復すると、傍らで見守る市に感謝の気持ちを自分なりに何とか伝えようとする少女の健気な姿には市でなくとも泣けてくる。実は今回観直してこの幼女の存在が極めて大きいように思える。子供の純粋な心と結び付いた事が自制心のように働き必要最小限に殺生を留めているように見えるのだ。
お種が市への想いを募らせていく過程も、子供の純真な心に感化された市の姿を見てからイメージが変わってゆく。子供を通して市に傾倒していく気持ちが一層強くなると、後半でその心中を吐露するに至り衝動的に手に噛みつく行為となって抑えられない感情を痕跡として残そうとする。この女の情念を感じさせる心憎い演出は恐らく伊藤大輔の脚本だろう。
その一方で謎の浪人との係りも怠りなく描く。市への復讐でヤクザ2人が宿を襲撃するが、この時居合わせた十文字が思わず自分が狙われたのではないかと告白し、自ら追われる身である事を無意識に漏らしている。更に遡って始めて船上で将棋を指した時に十文字という偽名が仇討を連想させてしまい動揺する。勝負の待った無し状況で鼻を擦り指を鳴らす特徴が既にこの時伏線のように張られている。
その後、市が浮子を見つけて戻った時に十文字は明らかに異変を察知し、障子越しに様子を伺い刀に手を伸ばす緊迫した空気を感じ取った両者の心理状態は、山道を歩きながら頭の中で将棋を指す最終対決まで持続する。詰め手を欠き追い込まれた市が起死回生に見せた浮子。その瞬間に形勢逆転する鮮やかな斬り合い。兄妹の仇討を手助けした市の姿に子供の眼を意識している様子が見て取れる。
【雑感】
市が最後に追手5人を片付けると、女の子が市の下駄を拾いに行き、そして挟まった石を外して履かせる。一見何でもないように見えるこの場面。実はこの時に市が応える “ありがと” には病気が快復した事を “おじちゃん、ありがと” という表現で懸命に伝えようとした子供の真心に触れた時の市の心情が素直に反応したように見えるのだ。
子供の嘘偽りの無い純粋な行為が互いの思い遣る気持ちを感じ取れるような場面となって結実するこのラストに、市と子供の関係が解るような形で表現した伊藤大輔の想いが伝わり、別れがいつも以上に感動的となって胸に迫るものがある。
2014年10月18日に日本でレビュー済み
1965年製作公開のシリーズ第12作。私は現在ツタヤのレンタルを利用して座頭市シリーズを順を追って鑑賞し直している。それで各作品のデータを調べていたところ目についたのが本作。監督三隅研次、脚本伊藤大輔、勝新太郎の相手役が成田三樹夫であれば、順番を飛ばしても観ないワケにはいかないだろう(笑)。
物語は館山から江の島まで相模湾を横切って船旅をする座頭市に、成田三樹夫演じる将棋好きの浪人の知り合いができるが、彼には何やら暗い過去があるようだ。さらに同じ船に岩崎加根子母子が同乗しているが、岩崎の夫はかつて座頭市に斬られた経緯から岩崎も市を仇と狙い、知り合いのヤクザたちに援助を頼んでいるというもの。
伊藤大輔の脚本はさすがにこの座頭市シリーズでは史実を利用する、というワケにはいかない。しかし成田のウラにある怨恨と、岩崎のウラにある怨恨が徐々に解明されて緊迫感が増していくのと、これらのしがらみが絡み合ってラストで爆発するのだろうという予感を感じさせながら物語が進んでいくのはさすがである。
勝新は相変わらずの余裕かつ円熟の演技で総てにおいて文句なし。成田は後年の東映実録路線のような重みを獲得していないものの、飄々と腹黒い浪人を演じるのが却って新鮮だし、目の見えない市と将棋の「ブラインド対局」を度々行うが、それが強烈なラストへの重要な伏線となる。成田を仇と狙う肺病持ちの山本学はいつもの感じ(笑)。本作で特筆すべきは市を仇と狙いながら、ついに心を許してしまう微妙な女心を絶妙に演じる岩崎加根子のおたね。温泉宿の部屋で、夜間お酒を飲みながら遠まわしに思いを告白するおたねに対して市は、
「おたねさん、俺って男は泥なんだよ。(中略)お前さんを泥に汚したくねえんだ・・・。」
と諭すところが泣けるぜ。この卓越した泣きの演出は三隅研次ならでは。さらにおたねの娘が破傷風に罹り、苦労して薬を買ってきた市をヤクザ者たちの集団が沼地で襲う。ここで市は彼らをなんとか撃退するが、薬の箱も落としてしまう。この薬を必死に探す市の演出も凄い。その他須賀不二夫と藤岡琢也コンビが船内と熱海で市にコテンパンにやっつけられる、マンガチックな演出(特に後者は市がプロレス技を使うワルノリ演技が楽しい)や、成田と市が斬り合いに突入する呼吸の妙、最後のおたねの助っ人の戸浦六宏(これも好演)一派との斬り合いなど、三隅演出も絶好調。そして牧浦地志による夜間シーンの撮影も相変わらず見応え充分だし、内藤昭の熱海温泉街のセットも華やかでリアルである。本作もまた観終わったあと、なんとも言えない幸福感に満たされる名作。あー、よくできた邦画を観るってホントに楽しいですね(笑)。
物語は館山から江の島まで相模湾を横切って船旅をする座頭市に、成田三樹夫演じる将棋好きの浪人の知り合いができるが、彼には何やら暗い過去があるようだ。さらに同じ船に岩崎加根子母子が同乗しているが、岩崎の夫はかつて座頭市に斬られた経緯から岩崎も市を仇と狙い、知り合いのヤクザたちに援助を頼んでいるというもの。
伊藤大輔の脚本はさすがにこの座頭市シリーズでは史実を利用する、というワケにはいかない。しかし成田のウラにある怨恨と、岩崎のウラにある怨恨が徐々に解明されて緊迫感が増していくのと、これらのしがらみが絡み合ってラストで爆発するのだろうという予感を感じさせながら物語が進んでいくのはさすがである。
勝新は相変わらずの余裕かつ円熟の演技で総てにおいて文句なし。成田は後年の東映実録路線のような重みを獲得していないものの、飄々と腹黒い浪人を演じるのが却って新鮮だし、目の見えない市と将棋の「ブラインド対局」を度々行うが、それが強烈なラストへの重要な伏線となる。成田を仇と狙う肺病持ちの山本学はいつもの感じ(笑)。本作で特筆すべきは市を仇と狙いながら、ついに心を許してしまう微妙な女心を絶妙に演じる岩崎加根子のおたね。温泉宿の部屋で、夜間お酒を飲みながら遠まわしに思いを告白するおたねに対して市は、
「おたねさん、俺って男は泥なんだよ。(中略)お前さんを泥に汚したくねえんだ・・・。」
と諭すところが泣けるぜ。この卓越した泣きの演出は三隅研次ならでは。さらにおたねの娘が破傷風に罹り、苦労して薬を買ってきた市をヤクザ者たちの集団が沼地で襲う。ここで市は彼らをなんとか撃退するが、薬の箱も落としてしまう。この薬を必死に探す市の演出も凄い。その他須賀不二夫と藤岡琢也コンビが船内と熱海で市にコテンパンにやっつけられる、マンガチックな演出(特に後者は市がプロレス技を使うワルノリ演技が楽しい)や、成田と市が斬り合いに突入する呼吸の妙、最後のおたねの助っ人の戸浦六宏(これも好演)一派との斬り合いなど、三隅演出も絶好調。そして牧浦地志による夜間シーンの撮影も相変わらず見応え充分だし、内藤昭の熱海温泉街のセットも華やかでリアルである。本作もまた観終わったあと、なんとも言えない幸福感に満たされる名作。あー、よくできた邦画を観るってホントに楽しいですね(笑)。
2006年9月3日に日本でレビュー済み
座頭市シリーズは実はこれしか観ていない。あとは北野版だけ、座頭市と名のつくものを観たのは。成田三樹夫のファンになり、彼目当てでDVDを買ったので、結構最近観たんだけど、とても良い。他のを観ていないので偉そうなことはいえないが、今作がシリーズ12作目らしいが12作目でこのクォリティーはすごい。これがプログラムピクチャーの力か・・、今じゃあり得ない。昔の日本映画は勢いがあったんだろうな、製作者も役者たちも。ストーリーはまさに時代劇といった感じで、裏切らない展開が逆に気持ちいい。シリーズの通しネタとかあるのかなとか思うと他のもみたくなった。
そしてなんといっても市(勝新)と十文字(成田三樹夫)!ふすまごしにけん制しあう二人、くお〜っシビれる!さすがの勝と負けずいっぽもひかない成田三樹夫、こんな役者も最近いないなぁ・・・。
北野版のあとにこの作品を観た。北野版もおもしろかったし、たけし=市も悪くなかった。別モンだしね。ただ、市は勝のもんだとおもった。
そしてなんといっても市(勝新)と十文字(成田三樹夫)!ふすまごしにけん制しあう二人、くお〜っシビれる!さすがの勝と負けずいっぽもひかない成田三樹夫、こんな役者も最近いないなぁ・・・。
北野版のあとにこの作品を観た。北野版もおもしろかったし、たけし=市も悪くなかった。別モンだしね。ただ、市は勝のもんだとおもった。