管楽器、リコーダー、ピアニカ等耳を引く楽器類が印象的で、ひとつのフレーズを繰り返すだけの曲やアコースティックギターを前にして初めて楽曲を作ったときのような、初々しい瑞々しい思いがよみがえるような音楽。おもちゃのちゃちゃちゃ、放課後の音楽室、幼稚園の鼓笛隊。うまれたままの曲が持つパッションをとても大事にしているように思える工藤冬里率いるマヘル。本当に今年のBill Wellsとの公演も見逃したのが痛いなあと思ってしまいます。41曲48分。
「とてもナイーブで、テクニカルじゃなく、誰もがイージーにプレイできる、僕はフォーマットを作るだけ」そう語る工藤さんのインタビューにもとても共感できますし、なにより結成20年なのに瑞々しさを失わない(というか増している?)彼の音楽はとても面白いです。セッションから生まれた数々のフレーズを消えないうちにパッケージングしたような彼のメロディは”癒し”という言葉だけでも語れないとも思いますし。彼の一重まぶたの奥に隠された欲望をもっと覗いてみたいような欲求にも駆られます。
ぶっ壊れたニューオーダーみたいな曲とかボサノバな7曲目"Post Office"に新たな?方向性が見えるようで、これからの活動もますます、楽しみです。