ゆっくりと不器用な恩師との大人の恋模様を小泉今日子が巧みに演じていく秀作だ。
恋とは年齢を重ねれば重ねるほど、気軽なもんじゃなくなっていく。だからこそ、若い時には気が付かない丁寧さや優しさがあり、苦しさがある。
小泉今日子演じる月子は本当にいい人だ。いい人だからこそ、苦しんで悲しんで、でも信じて生きている。
時にたくましく、時に繊細に。
ずっと先生になりたかった。そう心から思いながら、私も年取ったなぁとどこかで思いながら、気づいたら月子の時間に入り込んでいた。
だから最後の号泣で、私も一気に号泣した。
切なくそして温かいお話であった。