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超娯楽大作は、観ているあいだは非日常へ飛んでいけるが、フツウの日常の虚無はなくなることなく背中に張り付いている。ソツなく気の利いたMCもできるこの1980年生まれ(1人は79年だが)の3人組は、ちゃんと自分たちの欠落を知っている。甘えじゃなく、とてつもない孤独を知ったうえで、永遠などないことも知ったうえで、アナタと繋がろうとする。
2003年、もっともロックシーンで語られたニューカマー、レミオロメンのメジャーデビューアルバムだ。インディーズ時代からの人気曲「フェスタ」「ビールとプリン」や、メジャデビュー曲「雨上がり」、評価を決定的なものにした「電話」など旧知の曲ぞろいだが、ミックスなどで細部をブラッシュアップし、期待と予感に満ちた作品へ仕上げている。(石角友香)
メディア掲載レビューほか
インディーズ時代の代表曲とシングルを中心にまさにベスト的な選曲で旬な若手バンドの楽曲を堪能できるメジャー・デビュー・アルバム。蔭を潜ませながらポジティヴに疾走していくメロディは本当に素晴らしい。ただ、発表済みの曲が多く、ファンには物足りないかも。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
夏の朝美しい花を咲かせ、日中はしぼんでしまう“朝顔”。早起きは三文の得じゃないけれど、ほんの一瞬のちょっとした偶然で出会える美しさ……そんな尊さのある作品だ。2000年結成、3人組のレミオロメン。驚くほどのスピードでその名を浸透させてきた彼らのファースト・アルバムは、これまでの名曲・代表曲に新曲を加えた充実の内容。どれも素敵なイイ曲、だけどどこかがニクイ。文句なしの気持ちいいメロディが流れつつも、バンド・サウンドの粒はしっかりと。耳を捉えて離さない藤巻亮太の伸びのある声に、緩やかに流れていく雲や川に気持ちを委ねてしまいそうな安心感を思い出す。会話のような詞世界と極上の歌メロディは、そのどれもが人それぞれに持つ懐かしい“あの日あの時”を呼び覚ましてくれるのだ。ここ最近、確実な盛り上がりをみせ始めているギター・ポップやギター・ロック、間違いなくその中心核にいる彼ら。ポップなアプローチの中でこそ、一瞬の荒々しさ、感動は生きてくる。 (高橋典子) --- 2003年12月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)