イタリア人トランペッター、エンリコ・ラバがECMに帰ってきた。日本のレーベルで甘いバラードを演奏していたラバには正直、辟易としていたが、10何年ぶりかのECM盤はさすがに聴き応えがある。円熟とはソフトに角がとれることだけではないと教えてくれる。
ラバのオリジナル曲が多いが、「イージー・リビング」はスタンダード。クリフォード・ブラウンの名演がある曲だが、ここでの印象はまったく異なっている。ブラウニーとラバの間にジャズトランペットの表現の広がりがある、そんなことを思わせる演奏だ。
ちなみに私の好きなラバのアルバムは、「Bella」というタイトルのイタリア盤。猫のジャケットのやつだ(Bellaは愛猫の名前)。