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80年代からアンダーグラウンド・シーンで活動してきた工藤冬里が率いる、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ。彼らの音楽は叙情的なメロディーの歌ものでありながら、常に即興や実験的精神を持っていて、演奏がヘロヘロだったり、突如として崩れるように終わったりする。この6年ぶりとなるアルバムも、以前とまったく変わっていない。
ユーフォニウムやサックスを含む牧歌的な演奏が始まったかと思うと、大半の曲は1~2分で終わってしまう。次の瞬間には消えてしまいそうな危うさとはかなさが常にあり、だからこそ彼らの音楽はみずみずしく美しい。あまりにも純朴でスリリングな“うた”の記録集である。(小山 守)