コルトレーンがどんどん神格化される一方、キャノンボールは何故そうならない?
私もよくわからないんだけど、結局その風貌にもあるのかもしれませんね。
コルトレーンはいかにも神経質そうですが、キャノンボールはその対極とでもいうか、ガハハおじさんみたいな、賑やかというか、周囲の人間にまったく緊張感を与えない感じがしません?カインドオブブルーレコーディング中の写真を見ても、一人だけ脳天気に写ってるでしょ。
でもね、このおじさんはサックスという楽器のリードの使い方を知り抜いているんですよね、過激に吹けるプレイヤーは結構いるけど、弱音でこれほど艶やかで濃密な甘さを出せる人は他にそういないんではないでしょうか。
このアルバムもそれほどソロが目立つわけではないですが、一瞬の音の色気を十分感じされて、かつ全体にシンプルな構成であるぶん、聞き手にすこしも飽きさせない、いいライブだと思います。