2の優しさに満ちたメロディとMajor7コードの輝きに、美由紀さんのウエットな声がゆっくりと満ちてゆく美しさは神秘的ですらありました。彼女のSo Far Away、と発する情感には原曲より奥行きがあり、世界観が止揚されたようです。この音源は09年2月NHKドラマ主題歌として使われました(日本放送作家協会主催・第32回創作テレビドラマ大賞受賞作「ガラス色の恋人」作・野条美由紀、主演・吹石一恵)。 2. So Far Away(キャロル・キング) 3. Fire And Rain(ジェイムス・テイラー) 4. Feel Like Makin' Love(マリーナ・ショウ) 5. Candy says(ヴェルベット・アンダーグラウンド) 6. Jesse(ジャニス・イアン) 7. Do It Again(スティーリー・ダン) 8. Tennessee Waltz(パティ・ペイジ) 9. That Old Feeling (チェット・ベイカー) 10 Still Crazy After All These Years(ポール・サイモン) 11 Tenderly(カーメン・マクレー) 12 The First Time Ever I Saw Your Face(ロバータ・フラック) 13 Birds(ニール・ヤング) 14 I Saw The Light(トッド・ラングレン) 15 Yesterday Once More(カーペンターズ) 16 Amazing Grace (讃美歌) 4は原曲のファンクが、アンビエントな空気へ変り非常にスムース。5のルー・リードの素朴さや6ジャニス・イアンの叙情さも彼女の抑制的な声がよく合い、詩がひきたちます。8はスタンダードだからこその聴かせ所、名演です。9への流れや11の溜息の出るような耽美的なタッチもいい感じ。間断ないパーカッションで不思議な色づけの12は、ロバータが“Your Eys”とソウルフルに歌う箇所を深く表現しておりこれも聴き所。15、16はもはや聞く前から良いに決まってるぞ状態で実際に神がかってますよ。