『眼下の敵』(The Enemy Below)('57)
出演∶ロバート・ミッチャム、クルト・ユルゲンス、デヴィッド・ヘディソン、セオドア・バイケル、ラッセル・コリンズ、アーサー・ラ・ラール、フランク・アルバートソン
監督∶ディック・パウエル
この映画を初めてTVで見た高校生の頃は、まだ、第二次世界大戦ものの映画やTVドラマを見る機会が多かった。とくに、戦勝国アメリカの戦争映画やドラマは、ヒロイックでアクションもたっぷりで、恰好の娯楽映画であった。数多くの戦争映画を見てきたが、その中でも面白さで群を抜いていたのが、この『眼下の敵』だ。
始めから終わりまで、米軍駆逐艦と独軍潜水艦の1対1の戦闘のみを描くシンプルな作りながら、その緊迫感と駆け引きの面白さで、最後までグイグイ引っ張っていかれます。今でこそ、「対戦型TVゲームのような面白さ」などと評されるが、そんなゲームが普及してなかった時代でした。両艦の装備にしても、索敵装置はシンプルな初期型のレーダーとソナーのみ。武器も、誘導装置のない魚雷と爆雷や、機関砲のみだ。
そういったシンプルな道具立てに、軍人たちの矜持や友情、好敵手同士の軍人魂の交流などを織り交ぜて作られた力作です。Uボートの艦長が、バリバリのドイツ軍人ながら、ヒトラー総統を嫌っているという設定など、アメリカの観客が気持ちよく見られるように都合よく出来ていて、少々鼻につきますが、まぁ細かいことは気にしないことにしましょう(笑)
[物語] 第二次世界大戦中、南大西洋。激戦地ヨーロッパや、戦艦·輸送船·潜水艦がひしめく北大西洋から遠く離れた海域を航行する米海軍駆逐艦ヘインズの乗組員たちは、退屈しており、新任艦長マレル(ミッチャム)は、赴任以来、自室にこもっていた。若い乗員たちは民間船舶出身のマレルを「船酔いか!?」と馬鹿にしていた。そんなある夜、ヘインズは小さな船影を探知する。
小漁船か? 潜水艦の司令塔か? 独軍潜水艦Uボートと踏んだマレル艦長は追尾を命ずる。一方、Uボート艦長のシュトルベルク(ユルゲンス)は、英国軍の暗号表受取りの極秘任務のため、何とか追尾を振り切ろうとする。闇雲に離脱するのでなく、一定方向に向かおうとするUボートの動きから、マレルは敵艦が何か重要任務にあると察知する。マレルは敵艦に対し、爆雷攻撃を命令する。
シュトルベルクは爆雷攻撃の様子を探り、タイミングを測って艦尾魚雷を発射する。その作戦を読んでいたマレルは、巧みな操船で魚雷を躱す。Uボートは海底に潜り、息をひそめる。第一次大戦以来Uボートひと筋のベテラン、シュトルベルクは、敵将の手腕に一目置く。マレルも好敵手シュトルベルクを捕捉するため、味方の援軍を要請するが、援軍到着までは半日はかかるという。
マレルは、爆雷の波状攻撃で敵を足止めし、焦りを誘う作戦に出る。"智将"マレルを認めた乗員たちの意気も上がる。海底の狭い艦内で攻撃にさらされるUボート乗組員は、精神的に極限状態に達するが、歴戦の雄シュトルベルクは、その貫禄で皆を落ち着かせると、敵の探知を怖れずに蓄音機で勇壮な行進曲を流し、一同の士気を高めてゆく。
激戦のヨーロッパから遠く離れた南大西洋で繰り広げられる息詰まる攻防戦。任務を急ぐUボートと、いつ来るかわからない援軍を待てない駆逐艦。ついに雌雄を決する時が来た……!!
この傑作を監督したディック·パウエルは、元は俳優だった人。レイモンド·チャンドラーの小説『さらば愛しき女よ(Farewell, My Lovely)』の映画化『ブロンドの殺人者 (Murder, My Sweet) 』('44)で、主人公の私立探偵フィリップ·マーロウを演じた人です。
海戦シーンの特撮は、'50年代の作品とは思えない見事なものだ。当然CGなどはまだない。米海軍の協力で、艦上や爆雷投下シーンなどはホンマモンだが、海中シーンの潜水艦や魚雷、炎上する駆逐艦などはミニチュアだが、じつによく出来ている。アカデミー賞最優秀特殊効果賞もうなずけます。(日本では、まだ初期の『ゴジラ』の頃です)
どちらかというと、潜水艦よりも駆逐艦の方が主の映画だが、この作品における戦闘中の潜水艦の艦内描写は、これ以降の"潜水艦映画"の典型を作ったと言えないだろうか。大げさな言い方をすれば、『眼下の敵』がなければ、『レッド·オクトーバーを追え !』もなかったかも……(笑)
眼下の敵 [DVD]
¥2,776 ¥2,776 税込
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フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ロバート・ミッチャム, ディック・パウエル, ウェンデル・メイズ, ラッセル・コリンズ, アル・ヘディソン, クルト・ユルゲンス |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 38 分 |
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Amazonより
第2次世界大戦下の南大西洋。マレル艦長(ロバート・ミッチャム)率いるアメリカ駆逐艦ヘインズ号は、ドイツ軍Uボートを発見。一方、そのUボート艦長フォン・ストルバーグ(クルト・ユルゲンス)は、敵の暗号書を本国へ持ち帰るという重大な使命を持っていた。かくして米駆逐艦と独Uボート、男と男の意地を懸けた壮絶な戦いの幕が開ける!
あたかもゲームのようなスポーティ感覚で男同士の戦いを描いた戦争映画の傑作。お互いが知略を駆使しての厳粛なシーソー合戦が、実にスリリングかつダイナミック。しかもどちらも公平な視点で描いているあたりが好感の持てるところだ。好戦反戦といった思想的姿勢よりも、戦争を題材にひたすら映画の醍醐味を追求した好例ともいえよう。主演ふたりの熱演も、熾烈な戦いに拍車をかけてくれている。監督は『征服者』『追撃機』などで知られるディック・パウエル。(的田也寸志)
レビュー
製作・監督: ディック・パウエル 原作: D.A.レイナー 脚本: ウェンデル・メイズ 撮影: ハロルド・ロッソン 特殊撮影効果: L.B.アボット 出演: ロバート・ミッチャム/クルト・ユルゲンス/アル・ヘディソン/セオドア・バイケル/ラッセル・コリンズ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988142170224
- 監督 : ディック・パウエル
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 38 分
- 発売日 : 2004/1/23
- 出演 : ロバート・ミッチャム, クルト・ユルゲンス, アル・ヘディソン, ラッセル・コリンズ
- 字幕: : 日本語, 英語
- 販売元 : 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- ASIN : B00012T3MS
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 123,942位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 903位外国の戦争映画
- - 9,699位外国のアクション映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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他の国からのトップレビュー
Robin Lagerquist
5つ星のうち5.0
Difficult to find movies
2024年4月13日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Thank you for a timely delivery, DVD is in perfect condition, it is not easy to find old movies. Classic war movies are definitely favorites.
cinéphile avide
5つ星のうち4.0
Excellent film de guerre
2022年12月17日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
A la hauteur de sa réputation, malgré sans doute un peu vieilli ... cela ne me dérange pas personnellement. R.Mitchum et C.Jurgens tout en retenue; je peux recommander.
Mr Peter J Warren
5つ星のうち5.0
... seeing some comparisons made with other more recent films like Crimson Tide and Hunt for Red October
2015年11月20日に英国でレビュー済みAmazonで購入
I had never watched this film before buying the dvd after seeing some comparisons made with other more recent films like Crimson Tide and Hunt for Red October. I happen to think this is actually the best of them which is odd as I will normally always favour the modern film over the older ones. A classic duel between Destroyer and Submarine and while the ending may be a tad predictable I think the two lead roles are played brilliantly by Robert Mitchum as the Destroyer Captain and Curt Jurgens as the Submarine Captain.
Guest 1
5つ星のうち5.0
Review of "Enemy Below."
2024年2月16日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
A good psychological drama in a wartime setting. Similar personalities on different sides.
Victor
5つ星のうち4.0
The Enemy Below - Superior submarine drama
2011年1月4日に英国でレビュー済みAmazonで購入
This engrossing and entertaining film is a classic of the submarine chase drama.
Whilst on routine patrol in the Second World War, Robert Mitchum's destroyer happens across a German submarine commanded by Curt Jurgens. What follows is a superior drama as a game of cat and mouse ensues.
What makes this a better than average entry in the genre is that we get to see the action both above and below the waves. Both commanders and crews are well developed, making them believable and making us interested in both of them. Mitchum and Jurgens are both believable as the commanders, showing two weary but experienced men in a fight to the end, but each with a great respect for their adversary. It's well directed, well scripted and well acted, making for a very entertaining film. And I have to say I really did not see the finale coming!
This 20th Century Fox Studio Classics presents the film in 2.35:1 aspect ratio with a 4.0 sound. Both picture and soundtrack have been nicely transferred and it looks and sounds good.
Whilst on routine patrol in the Second World War, Robert Mitchum's destroyer happens across a German submarine commanded by Curt Jurgens. What follows is a superior drama as a game of cat and mouse ensues.
What makes this a better than average entry in the genre is that we get to see the action both above and below the waves. Both commanders and crews are well developed, making them believable and making us interested in both of them. Mitchum and Jurgens are both believable as the commanders, showing two weary but experienced men in a fight to the end, but each with a great respect for their adversary. It's well directed, well scripted and well acted, making for a very entertaining film. And I have to say I really did not see the finale coming!
This 20th Century Fox Studio Classics presents the film in 2.35:1 aspect ratio with a 4.0 sound. Both picture and soundtrack have been nicely transferred and it looks and sounds good.