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堤幸彦監督のもと、ふたりの若手女優(野波麻帆、小池栄子)2LDKという限られた空間に閉じこめ、その精神が崩れていく様、人間関係が荒立っていく様子をあますことなく描写した作品である。もちろんフィクションなのだが、野波、小池のリアルな演技がドキュメンタリー的な効果を上げており、とりわけ精神が崩壊した後、お互いを殺し合う後半は凄まじいまでの狂演ぶりである。撮影中小池が風邪を引き、39度の発熱を押して撮影を強行。その朦朧とした、イッちゃってる目つきが小池の役柄に求められる狂気とマッチし、凄味のある存在感を与えている。ところが小池の風邪が治まった後、今度は野波が風邪を引いて39度の高熱を出しての演技となった。二大女優渾身の演技を支えたのはインフルエンザだったのだ。アクシデントさえも味方につけてしまう、堤監督のライヴ感覚のなせるわざ。(斉藤守彦)
レビュー
監督・原案・脚本: 堤幸彦 脚本: 三浦友為子 撮影: 唐沢悟 美術: 稲垣尚夫 編集: 伊藤伸行 音楽: 見岳章 出演: 野波麻帆/小池栄子
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)