Amazonより
クレイジーケンバンドにとっての初のライヴ映像作品が登場!! 5thアルバム「777」とリンクしたスターの最終日、新木場STUDIO COASTのステージの模様が収録されているのだが、人気曲を網羅したラインアップといい、“いつもよりもちょっとゴージャス”って感じのホーン・セクションといい、「肉体関係」でかっちょいいラップを決めるライムスターといい、「これぞCKB!」って感じ魅力がたっぷりつまっていて、いったんプレイしたら最後、ラストの「GT」まで一気にもっていかれる。
ライヴを見ないとCKBのホントの良さはわからない、っていうのは東洋の常識(?)だけど、本作における臨場感ムンムンの映像は“現場”の空気をリアルに伝えていて、興奮度はかなりのもの。メンバー個々の表情&演奏をきっちり押さえてあるのも高ポイント。普段は剣さんばっかり見ちゃってる僕も、「CKBって、芸達者がそろってるんだなあ」なんて、改めて思った次第でございます、ええ。(森 朋之)
レビュー
横浜長者町にある小さなライヴ・ハウス“フライデー”から数千人規模の大会場まで、生のオン・ステージで、真摯なおもてなし心を客席に“届かせる”ということに関して、横山剣およびクレイジーケンバンド(CKB)が手を抜いたことはない。だからこそ、こだわる。剣さんがよく言うように「命をかけて」こだわる。かつて彼らが自主制作で発売していたビデオ作品(『箱根ヨコワケハンサムワールド』など)や数々の傑作プロモ・クリップでの、思いつきまかせめいたハチャメチャさがもたらす快感も、それを見せ、聴かせるために注がれた努力のたまものだ。ついにその高いハードルがDVDとしてクリアされたのだから、まさに、ファンだけでなく、バンド側にとっても喜びもひとしおというものだ。\収録されているのは2003年秋のツアー・ファイナルだった東京公演。オープニングMCからエンディングまで、一部を除いて当夜のほぼ全編を切り抜いた直球勝負。ゲストには「夜のビブラート」「肉体関係」で客演するライムスター。音質の良さも特筆もので、CKBのR&Bセンスを証明する部分であるコーラス技術の確かさに聴き惚れてしまった。\「イイネ!」や「なんまいだ」「百万円百万円」の大合唱、あるいは、某隣国の律動体操を思わす“やるときゃダンサーズ”の登場……。字面は(絵面も)異常だが、フェイクでも何でもない。CKBが最初から持っていたバンドと観客の幸福な“一座”感覚が、より大きなスケールで届けられた結果なのだ。そして、そんないかがわしさを踏まえた上での純粋な感情の高まりが「マイウェイ」で解放される。まったく、真面目にバカをやるということへの命がけの尊さの前では、“愛と感動”という言葉すら小さい。 (松永リョウヘイ) --- 2004年04月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)