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クラプトンが敬愛する1930年代の伝説的ブルースマン、ロバート・ジョンソンのカバー集という変則的アルバムだ。エレクトリックとアコースティックを交え、ブルースへの敬意と愛情がたっぷりと込められているが、現在のクラプトン・スタイルで演奏されており、企画盤という印象はまったく受けない。あくまでオリジナル・アルバムとして楽しむことが可能な、完成度の高いアルバムに仕上がっている。かつてクリームやブルースブレイカーズでカバーしてきた曲はあえて外している芸の細かさもうれしい。クラプトンを、そしてブルースを愛する者すべてにとって必聴の秀作だ。(山崎智之)
メディア掲載レビューほか
94年のNo.1アルバム『フロム・ザ・クレイドル』以来となるブルース・ナンバーのカヴァー集。今回はサザン・ブルースの革新者、ロバート・ジョンソンにこだわった内容で、そのウォーキング・スタイルをはじめ、いつになく揚々とした姿が目に浮かぶ。★
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
クラプトンの新作は、94年の『フロム・ザ・クレイドル』の続編とでも言うべき、オール・ブルース・アルバムだ。タイトルからもお判りの通り、全編ミシシッピの伝説的ブルースマン、ロバート・ジョンソンのカヴァーである。ジョンソンの音楽がクラプトンに与えた影響の大きさを考えれば、このコンセプトは自然なものと言えるだろう。収録されたのは、計14曲。彼がすでにカヴァーしている曲とのダブりはない。比較的元曲のイメージに近いアコースティック・スタイルの(4)などもいいが、気合いの入ったギター・ソロの聴ける(9)あたりが、いかにもクラプトンらしくて聴きごたえありだ。ジョンソンの曲の中でも最も重々しい(14)は、クラプトンにはちょっと重荷だったか、曲の持ち味が出ていなくて残念。むしろ軽快な(3)の方が、彼の個性にはあっていると思う。曲ごとにアレンジはいろいろだが、ジョンソンの楽曲に正面から向きあった姿勢が好印象だ。ジェリー・ポートノイ(ハープ)の好演も光っている。 (陶守正寛) --- 2004年04月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)