子どもの頃、映画館で観た。
当時の時代背景は、光化学スモッグにヘドロといった公害で汚れ切った環境で、そんな中で育った魚を食べた人は水俣病などで苦しでいた。
そんな社会情勢の中生まれたこの映画、子ども心にとにかくゴジラ映画の中でも屈指の怖さだと思う。
なにせ、空とぶヘドラが通過した後は、鉄骨は歪み、人間は溶けて骨になる。ゴジラもヘドラの泥を浴びて片目になってしまう。救いようのない怖い怖い怪獣だった。
この頃のゴジラは悪というより、人類の味方だった。子どもの頃の私はゴジラはヒーローであり1980年代に入って復活したゴジラがヒールであったことに違和感を覚えたものだ。実際はゴジラは誕生した当初は悪、途中ヒーローになり、また悪になっている。この映画はゴジラが完全にヒーローの時代の象徴的な映画である。
還暦を過ぎて改めて観たが、メッセージ性が強く、ストーリーもあり、ゴジラが負けそうになり最後までハラハラドキドキするいい映画だった。
ゴジラが空を飛んだのだけは、ちょっとあれだったが(笑)
ゴジラ映画の中でも傑作の部類に入ると思う。