広大な銀河を二分する銀河帝国と自由惑星同盟の両国、それぞれの国に生まれた天才的用兵家の視点から銀河が統一される過程を、戦争政治の両観点を緻密に描きながら物語る長大なスペースオペラ。
第三部、内紛により自滅の道をたどる自由惑星同盟に終止符を打つべく長征する銀河帝国軍。若き天才皇帝ラインハルトが率いる大軍の前に立ちはだかったのは同盟中から寄せ集めた寡兵の一個艦隊、それを率いる歴戦の老提督だった。
激しい恒星風が吹き荒れるマルアデッタ星域を舞台に激突する両軍。天才ラインハルトに率いられる多くの名将、大軍を相手に奮闘する自由惑星同盟の勇者たちだったが……
巧妙な用兵が飛び交う戦争シーンはもちろんですが、見所はそれだけではありません。倒れ逝く勇者達の生きざま、彼らに敬礼する将兵達、勇者に対しては礼を尽くす皇帝の在り方、その全てが洗練された名作です。
個人的には老提督の最後の通信が印象的でした。私も年をとったら彼のような人間になりたいものです。