え?こんなにおとなしくなっちゃって・・・というのが最初の感想。
しかし
ボーカルはクールに抑えて歌い。ギターはオーヴァードライブを控え、クリーントーンでのアルペジオを多用。リズム隊もいつもように暴れることはない。それでも彼らの演奏の熱さは変わらない。聴けば聴くほど深みのあるアルバムだと思うようになった。
1stアルバム以来のセルフプロデュースらしいが、その1stと並んでバンドの代表作になることは間違いない。結局外部プロデューサーではこのバンドの良さは引き出せないのだろう。2NDのように作りすぎのサウンドでもないし、3rdのようにスカスカのサウンドでもない。
これまでほぼ全ての作詞を手がけていたのはVOの中尾だが、今回は作詞作曲面ともにBASSの草場が活躍。が、他人の歌詞を歌うことによって一層VOの表現力の素晴らしさを実感できる。ソロ活動がいい方向に作用したのだろう。抑えて歌っても十分に熱い。
昔から『情景が浮かぶ演奏』に定評のある彼らだが、今回の作品はそれが顕著に表れている。時には水彩画、そしてあるときには秋の紅葉、夕暮れの向うに見える地平線・・・・などいろんな情景が思い起こされる。
競馬で例えれば(例えるなよ)スピードに優れた逃げ馬が抑えることを覚えて脚質に幅が出たという感じ。