秋田慎治 (p)、金子雄太 (organ)、佐藤慎一 (b)、笹子重治 (g)、高田漣 (steel guitar)、山木秀夫 (ds)、コスマス・カピッツァ (per)

ゲスト
noon(vo)、畠山美由紀(vo)、アン・サリー(vo)、神谷えり(vo)、小沼ようすけ(g)、本田雅人(sax)、原朋直(trumpet)

非常に穏やかな作品。少しだけスローになった1「Ribbon in the Sky」に流れる時間は完全にジャズのアンニュイさです。原曲より少しだけテンポを落とすことで、流れる時間がゆっくりと微分されるように、風景の一瞬一瞬を趣深く描いた演奏になっています。

2「Solitary」は原曲に近い質感。そして驚くのはnoonの第一声がヴィクトリアのそれと同じ近似値を鳴らすことです。それでいてnoonの歌声は彼女よりしなやかで、しっとりとしており、スムース・ジャズを届けるSoul Bossa Trioならではの穏やかな空気を具現化していました。また編曲の微細で丁寧な仕上がりには匠の業を感じさせます。原曲の奥行きや隅々の風景までも表現するようなタッチなのです。

3は本田雅人の挑戦的なサックスがとてもブルージィで聴き応えがありますよ。吹き方はハービーがエレピを使った73年の同曲でのベニー・モウピンのようなアーシーな演奏。但し彼のように低く迫るのではなく、ソプラノの高さからくすんだ音色を醸し出すのです。秋田慎治と金子雄太が作る増幅感も伴い、その味がくせになりそうなトラックでした。

今作で最も原曲のもつ美しさを、原曲以上に抽出してみせていると思えたのは4「Alison」です。即ちこの有名なメロディラインの優美さが、穏やかで楚々としたヴォーカルにより奏でられることで、もっと香り豊かに花開いたのです。またアレンジも郷愁を駆り立てるような黄昏の優しさを湛え、ゆっくり心地よい揺らめきで歌声を導きます。畠山美由紀とバンドとの息の合った呼吸に注目です。

続きの楽曲はコメント欄で書きます。

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mach_555

知らなかった・・・

2004年10月8日に日本でレビュー済み

CDショップのJAZZコーナーの視聴マシンに立てかけてあったこのCD。
ジャケットが綺麗でなんとなく聞いてみた。
そこから流れてきたのは切なく優しいスロージャズ。
傷ついた僕の心を優しく包んでくれる。
ジャケットを確認すると「SOUL BOSSA TRIO」！！
red.2000を聴いてからソウルボッサから遠ざかってしまっていたが、まさかこういう方向性で僕の心に響いて来るとは・・・
10代の頃、僕を熱くさせてくれたソウルボッサは、30歳を控えた僕を優しく包んでくれた。
ありがとうゴンザレス！

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