東京ディズニーランド ブレイジング・リズム2004のCDには全5曲が収録されているが、全てJorge Casas & Clay Ostwaldの作・編曲によるものだ。(except : track 2はTommy Anthonyとの共作、track 3のArriba, ArribaはM. Marinangeli, J. Landers, R.J.Alexanderの作)
Jorge Casas & Clay Ostwaldはグロリア・エステファンのバンドであるMiami Sound Machineの中心メンバー。1987年のアルバム「Let It Loose」にともなうコンサート・ツアーに参加後、作・編曲からプロデュース、バンドのミュージカル・ディレクションまで、重要な役割を担っていた。特に1989年の「Cuts Both Way」と1990年のスパニッシュ・ベスト「Exitos De Gloria Estefan」における彼等のアレンジ・プロデュースはキューバン・ラテンとEW&Fに通じるFunkの融合度の高さで群を抜いている。
そんな彼等の作品だけに、このCDに収められた楽曲も、Latin+Funkの絶妙なフュージョンが楽しめる。やはり、各曲においてパーカッションの比重が高く、なおかつ、フェニックス・ホーンズを思わせるご機嫌なホーン・セクションが活躍、Funkyさを増したMiami Sound Machineサウンドが聞ける。ところどころでグロリア・エステファンのヒット曲で聞かれた「馴染みあるフレーズ」(笑)が出てくるのは「それっぽく作ってね」という日本サイドの要望を受けてのものだろう。
レコーディング・メンバーは明記されていないが、ほぼ当時のMiami Sound Machineのメンバー総出ではないだろうか?特にパーカッションのRafael Padilla, ホーンのTeddy Mulet, Randy Barlowはその個性的なプレイからみても間違いないだろう。
ちなみにJorge Casasはベース&ギター、 Clay Ostwaldはキーボード担当だ。
この二人、2011年には「7Crossing」というMSMのメンバーを含むグループでRelentlessというLatin Jazzのアルバムを出している。Weather ReportのBlack MarketやA.C.JobimのOnce I Loveを取り上げるなど、少々Jazz色が強いがMiamiのラテンの現在形を知るにはもってこいだろう。
東京ディズニーランド ブレイジング・リズム2004のCDは単なる東京ディズニーランドの思い出として聞くにはもったいないほど優れたラテン・ダンス・ポップの秀作といえるだろう!
グロリア・エステファン&Miami Sound Machineのファンなら必携の作品だと断言できる。