レビュー
クリちゃん、デビュー5周年。5枚目のアルバムとしてベスト盤、同時発売でPV集もリリース。そう、もう5年目なんだから、いい加減ここらで大ブレイクしてほしいもの。ソフトな発声法、アメリカン・スクール育ち、R&Bが音楽背景でジャネット好き、そのくせどこか重い。ほぼ同期の宇多田ヒカルと共通項多いのに、随分出遅れてる感じ。やはり「Girl's Night」「Ex-Boyfriend」みたいな、アメリカン・スクールのティーンを描いた歌が洗練されすぎてて、敬遠されてしまったか? おまけに、単純なメロディより複雑な譜割りでこそ歌の巧さが際立つから、ヒット性の高さと楽曲のレベルを両立させるのが難しいのかも。とはいえ、シングルをすべて並べてみると、案外佳作ぞろいだったりする。不思議なぐらい大人びた落ち着きぶりで、どんどん五輪真弓化していく成長過程も見られるし、ベスト盤CDよりお買い得の内容。踊りも結構上手くなってます。 (鷺沼晶良) --- 2004年08月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)