前作『少女都市』のメランコリックな枯れた作風とは全く違っていて、夏っぽく弾けててセクシーでイケてます。南国で空気が湿ってて視界がぼやけてる感じ。
ビートのない「砂浜エンジェル」とかも映像が見える感じ。イルリメによるへんてこなラップの入るヒップホップ調の「Give Face」が好きで、「ハエ」、「空っぽ」、「ペンギン」のように、日本の典型的な感じのポップの歌をグリッチのオケでやるというのが斬新です。こういう音楽がメゴから出てたんですね。彼女は今でもEメゴから出してますが。都市レコードの人が演奏で参加したフォークの「海」も、彼女の作る歌は本当に良いです。
ツジコさんのバラバラ感のあるノイジーな独特の音がかなり好きです。音使いがちょっとヒッポホップっぽかったりするところとか。
雑な作りのアルバムですが、自分の中ではマスターピースになってます。
ブックレットのアートは、はちゃめちゃで頭のネジが外れた感じが良いです。裏ジャケは、幼い頃のツジコさんと彼女をだっこするお母さんの写真です。
自分が持ってるのは日本盤でアマゾンにはありません。ジャケのタイトルが丸文字でもっとポップになってます。
そちらにはボーナスディスクがあって、スピリチュアル・ヴァイブスみたいな清々しい「エアポート」、ヒップホップっぽいチョップしたリズムのグリッチのお気に入りである「やしの木天国」、「ハエ」のカラオケとビデオが入ってました。