1970年代末、NYで興ったノー・ウェイヴの代表的バンド、DNAの音源を32曲収録した編集盤。
どれも短い曲ばかりで、2種出ている『ラスト・ライヴ・アットCBGB』以外は、おおかたフォローしている。
何者かに追い詰められたかのように性急で、副交感神経に異常を来したみたいな空間を引き裂く痙攣ギターと狂気のヴォーカルが、壮絶極まり無し。
『ノー・ニューヨーク』に収められた曲が聴けるし、それ以外のナンバーも、インダストリアル・ミュージックへのリスペクトらしきものがあったり、ノイズ風アプローチがあったり、サウンド形成の飽くなき好奇心、研究心に満ち、チョー刺戟的だ。
そこらへんの凡庸なハードコア、メロコア、デスメタ、ブラック・メタルなどが、予定調和的で退屈な音に聴こえてしまう。
しかし、大音量で連続して聴き通すと、流石に疲れてしまうなあ。
アンビシャス・ラヴァーズからリンゼイのファンになった方々は、ネットで試聴してから、購入を検討してみてください。