或る時はラジオのパーソナリティとして、また或る時は声優として、そしてまた或る時はアーティストとして活躍著しい小森まなみの従来リリースしただいたいの曲を集めたベストアルバムがこれだ。全てをまとめて評価はしにくいので、そのうちの幾つかについて感想を述べる事とする。
・あした天気になあれ
小森まなみのここ数年に発表した曲は、彼女のラジオ番組内でエンディング曲として使用 される事が多いが、この曲もそんな曲のうちのひとつだ。
彼女らしい前向きに、何があってもへこたれないような希望を持とうという意志が強く表 われている様な曲である。
ちなみに「AsR」とは、彼女と彼女と同じパーソナリティとして知られる高橋直純とのユニットである。
・ひまわり
タイトル通り、夏の暑さ、それもじめじめした不快指数の高い夏の日では無く、カラッと した夏の日を思わせる一曲。
そんな曲でも、やはり前向きさを感じさせる彼女の曲調は最早自家薬籠中のものとしているかのようである。
・YELLを君に!
この曲は1995年1月17日に起こった阪神大震災の復興の為に作られた曲だ。
オープニングの「ありふれた日常が一撃で崩れてゆく…」という歌詞がややショッキングではあるが、それ以外は彼女らしい前向きさが表現されていると思う。それが「さあ、もう一度、走ろう!」というフレーズに表現されている。
・Fight〜最後の天使〜
この曲は今は無きセガ・サターンのゲームソフト「3×3EYES」のテーマ曲として作 られた。
従来の彼女の路線とは違って、ややシックではあるが、それが彼女の別の面である。悪くは無い。むしろこういうのも歓迎したい。
・Presage
今は亡きアーティスト岡崎律子による曲。まるで悠々と大海を行くクルーザーを思わせる 曲だ。「雨はいつか止む」というフレーズが、何か困難があっても、いつかはいい事もある という前向きさを感じさせる。
…と述べてみたが、個人的には何とも言えない感慨深さを感じさせる「Angel Heart」と、シックで深い味わいのある「臨海Dolphin」の二曲がラインナップされていると更に良かったと思う。
何はともあれ、「前向きさ」が殆どの曲に共通しるボキャブラリーだと思う。愚生の様に彼女のラジオ番組を10年以上聴いている人(彼等はもうとっくにこのアルバムは持っているだろうが)だけで無く、最近聴き始めたという人にもおススメしたい。