主人公のように家父長制の中にがっちり食い込んで取り込まれて踏襲していく方法もあるのかも。
でもそのやり方にも限界がある。家族の中で権力を握ったとしてもやれることは限られている。それでもその道しかないなら。波打ち際に寄せる波のように少しづつ変えていくしかない。差別という言葉(概念)がなくなれば平等もなくなる。なんて禅問答のような達観は不要。論破すればするほど自分のバカが浮き彫りになるわけだから。醜く、のたうちながらも。小さな変化がダイナミズムとなって大きく社会を変えていく。そんな希望のある映画だ。