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『ベティ・ブルー』などで日本にもファンが多いジャン=ジャック・ベネックス監督が、8年の沈黙を破って撮った作品。人妻のオルガの話を聞いていた精神分析医ミッシェルが、診察中に眠ってしまい、目覚めると死体と化したオルガが横たわっていた。死体の処分に困る彼に、さらなる謎めいた事件が相次ぐ。
映像にはいくつものカラーが印象的に使われているが、なかでもブルーや黄色が目にやきつく。青いハイヒール、黄色のポルシェなど、過剰なほどの色に対する様式美はベネックスが意図したものだろう。エロティックドラマとサスペンスを組み合わせた予想不能の展開に、ミッシェルの背負った重荷が雪だるま式に膨れあがる状況は、シニカルな笑いも誘う。『ベティ・ブルー』でも監督と組んだジャン=ユーグ・アングラードが、そんな「巻き込まれ型」の主人公にぴったりだ。(斉藤博昭)
レビュー
監督・脚本: ジャン・ジャック・ベネックス 原作: ジャン・ピエール・ガッテーニョ 撮影監督: ブノワ・デロム 美術監督: フィリップ・シッフル 音楽: ラインハルト・ワグナー 出演: ジャン・ユーグ・アングラード/エレーヌ・ド・フジュロール/ミキ・マノイロヴィッチ/ヴァレンティナ・ソーカ/ロベール・イルシュ/イヴ・レニエ 声の出演: 郷田ほづみ/渡辺美佐/勝部演之/石塚理恵/有川博
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)