アンチコンの、歌ともラップともつかないヴォーカルスタイルが希有な存在のdose oneと同じくアンチコンのリズムプログラミング(今作ではドラムマシンと表記)担当のjelが中心になって、4人のジャズミュージシャン(サンレコかなんかにそう書いてあった)と組んだバンドのアルバム。
ヒップホップ本来の手法と生演奏が垣根なく等価に扱われており、その組み合わせのセンスも抜群に良い。作曲において手段を限定しないエクレクティックな姿勢はトータスなんかのポストロックに共通するものだが、下手なポストロックを聴くよりも今作を聴いた方が確実に良いだろう。多彩な音色の操作はヒップホップのあるべき姿とも重なるものだ。
リリースはWARP傘下のLEXから