Big Bandでのライブ音源はこれくらいしかないというレビューがあるが、81年にフロリダでJacoの30歳を祝った”Birthday Concert”が音源化されている。あちらもかなり好評価なアルバムだが、個人的には82年の日本公演を収めた音源の方が録音とミキシングのバランスが良く、ベースの音がよく聴こえると思う。
さて、この日本コンサートの模様は日本企画盤”TWINS”の方が収録曲が多いのだが、本盤はライブ音源の抜粋編集とは信じ難い程に「流れ」が見事なので、これからJacoの世界に入っていこうという方には十分オススメだ。(和傘を差したJacoの絵が素敵なジャケも、地味なあちらより勝っている。)
個人的にお気に入りなのは、ハードな”Reza”の途中に、”Giant Steps”のサックス・パートをスチール・ドラムが再現してColtraneもびっくりな爽やかさを挿入するくだりだ。Jacoはこの頃からちょっとおかしくなってきていたとされるが、ここに収録された名演奏からは天才プレーヤーの圧倒的な輝きが今でも感じられる。