1999年2月、グラーフェンエッグ(シシーク)、1999年9月ベルリン(ヴステイン、カンチェーリ、バクシ、トゥナエフスキー)、2001年2月ベルリン(リスト)、2001年10月リガ(ペレシス)にて録音。クレーメルが1996年に故郷バルト3国エストニア、ラトヴィア、リトアニアの若い演奏家たち27名を集めて自らの50歳の誕生日を機に創設したのがクレメラータ・バルティカだ。このアルバムでは、リストのピアノ曲《巡礼の年》をヴァイオリンと弦楽オーケストラに編曲したものをメインに、シシーク、ヴステイン、カンチェーリ、バクシ、ペレシス、ドゥナエフスキーといったバルト3国の作曲家の作品を中心に収録している。
アルバムのインナーには『インヴィテーション』がある。
『クレーメルランド』と呼ばれる場所があります。
そこでは『リスト』が雪のような白い砂の上でヴァイオリンを弾いたり、
『モーツアルト』が軽快なテーマに乗ってパーカッションを扱ったり、
・・・・ああ!物事は、見た目とまったく同じというわけでは決してないのです。
以下続くが、クレーメルの『夢』を描いた場所になっている。ジャケットの絵には『アマデウス・シー』とか『アンコール・アイランド』なんてある。このユニットはそういうクレーメルの『夢』をカタチにしたモノだと言うことだろう。かくて2001年のユネスコ国際音楽賞を受賞、2002年のグラミー賞の最優秀Small Ensemble Performance賞まで受賞する。
いつもとまた違うクレーメルの一面が見られる作品だ。