エレファント デラックス版 [DVD]
フォーマット | ドルビー, 色 |
コントリビュータ | アレックス・フロスト, ガス・ヴァン・サント, ジョン・ロビンソン, エリック・デューレン |
言語 | 英語, 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 21 分 |
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商品の説明
商品紹介
【映像特典】
●メイキング ”「エレファント」撮影日誌”
●ガス・ヴァン・サント監督来日時インタビュー
●ジョン・ロビンソン来日時インタビュー
●アメリカ版&日本版劇場予告編
《監督・脚本・編集》 ガス・ヴァン・サント
《製作》 ダニー・ウルフ
《製作総指揮》 ダイアン・キートン / ビル・ロビンソン
《出演》 ジョン・ロビンソン アレックス・フロスト エリック・デューレン イライアス・マッコネル
Amazonより
米コロンバイン高校の銃撃事件を題材にして、ガス・ヴァン・サント監督がカンヌ国際映画祭でパルムドールと監督賞を受賞したセンセーショナルな一作。事件の当日、生と死の運命を分けることになる高校生たちの日常を追いかけながら、加害者2人が犯行に至るまでのドラマが進行していく。
生徒ごとに章立てされた構成。ユニークなのは、それぞれの生徒の後ろをついていくカメラワークだ。スムーズな映像の動きと、それぞれの視点で映し出される校内の風景を通して、各人物の個性や人間関係が浮かび上がってくる。極端なダイエットやいじめなどを描いた何気ない日常も、その後、血に染まる光景に化すと思いながら観ると、かなりスリリングだ。もっとも緊密感があるのは、加害者2人の部分。監督は、彼らの動機を明らかにするわけではなく、その行動を冷徹にとらえる。惨劇シーンは目を覆うばかりだが、映画全体は、リリカルな映像とクラシックの音楽の効用で心地よい空気に覆われ、映画初出演のキャストたちがみずみずしい存在感を放つ。不思議な後味を残す一作だ。(斉藤博昭)
レビュー
99年4月20日にコロンバイン高校で起きた二人の生徒による銃乱射事件。同じ事件を起点としたマイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』が“事件と社会の因果関係”を声高に主張したのに対し、本作は“生徒の日常”を淡々と描くだけ。平凡でつつましく、しかしどこか不安定な高校生たちの日常。事件直後にはコンピュータ・ゲームやヘヴィ・メタルの影響が叫ばれたが、そんな分かりやすい理由を求めるのは大人の事情。実際にはもっと些細な感情の糸が交錯し、犯人自身ですら、何が原因かも分からないまま事件が起こったのではないか。表情も変えず、静かに人を殺していく主人公たちからは、“分からない”ということが分かるだけ。 (吉田正太) --- 2005年02月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
製作総指揮: ダイアン・キートン/ビル・ロビンソン 監督・脚本・編集: ガス・ヴァン・サント 出演: ジョン・ロビンソン/アレックス・フロスト/エリック・デューレン/イーライ・マッコネル/ティモシー・ボトムズ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語, 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 82 g
- EAN : 4988102028831
- 監督 : ガス・ヴァン・サント
- メディア形式 : ドルビー, 色
- 時間 : 1 時間 21 分
- 発売日 : 2004/12/3
- 出演 : ジョン・ロビンソン, アレックス・フロスト, エリック・デューレン
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1), 日本語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : ジェネオン エンタテインメント
- ASIN : B0002XG8KQ
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,647位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,654位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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愉しむ血生臭い想像を巡らしている描写があるが、このシーンは今風
に云えば、「あるある」であり、当時、異性と番うことしか考えない猿の
ような同級生に対する殺意に胸を焦がしていたことは、はっきり覚えている。
そんな私が何故、同窓会に爆弾を仕掛けてナイフで残りの猿を片付ける…
といった聖戦を行わないかと云えば、徹底的にこの世の救いのなさを
知悉しているからだ。
死んだ人間の魂は洩れなく神の国に入れる…などと云う強制的
ハッピーエンドがあれば、それに至らせないために、犯行を強行した
だろうが、人間は<此処ではない何処か>になど行けない。
つまり、自分が憎悪を催すレヴェルの俗物は、放って置いても自分の死を
許容できずに破滅的な死を遂げるのは必定で、わざわざ数十匹の猿を始末
してポリに捕まることはない。
しかしながら、高校生位の年齢で、そこ迄達観できない実存は、犯行に
及ぶだろうし、これからも幾らでもそういった事件は起こるだろう。
当時の映画秘宝に「燃えるぞ」と書かれていたが、本作の前半部分、大半
の時間をダラダラ歩行に費やすだけのフラストレーションを溜める演出
をして、後半暴力性を爆発させる展開は、王道ながら享楽的である。
正直、銃撃戦のシーンは、悲惨だからなどという稚拙な理由でなく、自分
も若しかしたらやっていたかもしれない青春の総決算的な行為を目の当たり
にしたという意味で、感銘を受けて噎び泣きそうになった。
ただ、実際に同級生を殺そうとしている10代には、自分の人生を充実
させれば、いかに自分が殺意を覚えていた同級生がくだらない存在で、
腹を立てるのにすら値しない餓鬼だということがわかる日が来るので、
決行は思い留まって、まぁ本作でも見て留飲を下げろよ、とは云いたい。
「映画」とか「作品」と呼ぶことさえためらわれる気がする。
ただここには一つの世界がある。世界の手ざわりがある。
もちろん多かれ少なかれ映画とは一つの世界を創り上げることなのだけど、『エレファント』の世界は質が違う。
他の映画とは別の水準にある。上回っている、という意味ではない。上下ではなく、種類が違う。別物なのだ。
印象的なのは柔らかな光、水中にいるようなくぐもった音、秋という季節の感触、だけれども、それらが映画を構成するモチーフにはなっていない。世界にあるものをそのまま写し取ってきただけ、という感じがする。
多くの映画は「創り手の頭の中にある心象風景」や「創られた世界」なのだと思うけど、この映画は「ただそこにある世界」だ。
リアリティに優れている、というのとも違う。「リアリティにこだわりました!」という映画は「リアリティのある世界」を創っているに過ぎない。
たしかにこの映画にもリアリティへのこだわりはある。けれど、「現前する世界」としての手ざわりがありながら、透明な膜を一枚隔てているような浮遊感もあって、引きずり込まれるようなリアルさ、というものとも違う。
一番近いのは夢だと思う。大量殺人事件を映しているのに、そこに悲惨さは感じられない。ない訳ではないが、胃が持たれるようなしんどさはまるでない。「何が起こっているんだろう?」みたいな、現実を受け止めきれない感覚。それがその場にいた人間のリアルな感覚だったのかというと、それもどうなのかわからない。
感情移入のための物語が排されているから、悲惨に感じられないというのはあると思う。
それはゲームの延長線上?で人を殺す少年二人の感覚なのかもしれない。痛みの欠如。他者の痛みを想像することができない、つまり他者への共感の不在。もし他者への共感が物語によってもたらされるのだとしたら、この映画は物語を排することで、逆説的に物語の意義を語っているのかもしれない。
事件の「原因」のようなものとして、スクールカーストやいじめ、暴力的なゲームなども描写されている。ただ、インタビューでも語られていた通り、それらを失くせば同様の暴力が世界から消えるわけではない。そう単純な話ではない。むしろ「それらが原因で解決する話ではないんですよ」ということを伝えるために、原因らしきものをあえて撮ったんじゃないかという気がする。
人の心の複雑さ、世界の複雑さをあるがまま認めている映画だと思う。上手く言えないが、短絡的に決めてかからないその姿勢は、他者と世界への敬意であって、その敬意を持っていれば簡単に人を殺そう、世界を壊そうとは考えないのかもしれない。
人を撃ち殺しまくった後で、食堂の椅子に座り、飲み物を飲む場面がある。たぶんあそこで彼は「なんだ、世界は壊せないんだ」と悟ったんだと思う。窓から降り注ぐ光の美しさは銃撃の前も後も変わらない。世界は人間に興味がない。けれどその揺るぎなさが世界の素晴らしさであり、信頼感だ。圧倒的な世界への肯定だと思う。
丁寧に積み上げられてきた日常が大量殺人によって破壊されていく様に、刺激や興奮、映画的快楽を覚えなかったかと言えば嘘になる。その点でこの映画は観る者の倫理をも抉っていると思う。時と場合によっては自分だって人を殺しかねない。大量殺人鬼は常軌を逸したサイコパスばかりではない。少なくともこの映画の加害者は十分に普通の少年だった。それでも善悪や正常・異常の境界を跨ぎ越えてしまう状況があり得る。はじめから境界なんてないのかもしれない。
この映画に明確なメッセージはないが、同じような悲劇を回避するためにこの映画が効力を発揮するとすれば、それはおそらく、「自分も人を殺し得るのだ」という自覚を持たせるという形でだと思う。能動的に悪を倒す正義、というものも、社会には必要なのだろうが、それ以前に、自分も悪になりうるのだという戒めを持つことで、いざそういう状況になったとき、踏みとどまることができるかもしれない。
その意味で、すべての人に観てほしい映画だと思った。
……監督がインタビューで「考えさせるための映画」だと言っていたが、本当に考えまくってめちゃくちゃ長文になってしまった。「作品についての考察」に留まらず、いま自分が生きている世界への考えが止まらなくなる、観た者を触発し、新しい思考を生み出させるというのはすごいことだ。
カメラはほとんどがその生徒の背後を追うのみ。
しかし、視点は常に俯瞰であり、情報は正でも負でもない。
だからこそ、みているこちらは、微妙な不安感を抱いてしまう。
この感覚は初めてでした。
音楽も、会話も(会話もキャストのアドリブとは知りませんでした)、なぜか不安を感じてしまうのです。
それが十代特有の儚さからきているものなのか、やはり「コロンバイン事件」を彷彿とさせてしまうものだからなのか・・・
結局、銃を乱射する2人の行動についても、動機も説明されず、ここでも俯瞰視点。
こんなに静かで、緊張感を持ち、かつ強いメッセージを放つ作品は初めてです。
カンヌ映画祭で誰も予想していなかったパルムドールを受賞した、というのも何となく納得できます。
ただ、私は「明日、君がいない」を先にみていたので、このような映画の構成は違和感がありましたが、
初めてこのような映画を観る人にとっては非常に居心地の悪い、微妙な映画と感じる可能性があると思います。
ある意味、観る人を選ぶ映画かもしれません。
それでも、私としては満点の作品です。
ちょっと自分が思っていたのとは違ったかな、犯人たちの犯行に至るまでの心理的な変化の描写とか皆無だし唐突すぎて
まあ、そういうの描こうという作品じゃないんだろうけど同じモチーフ作品ならゼロ・デイも購入したけどそちらの方が自分的にはいいかな
あと到着がめちゃくちゃ早くてうれしかったです
誰が犠牲になる?誰が助かる?
と心配になってしまいます。
ジョン役のジョン・ロビンソンは監督の
「マイ・プライベート・アイダホ」に出た
キアヌ・リーブスに似てる感じがします。
監督の作品には美少年が多く本作でもゲイについて教室で討論する場面があります。
監督はゲイであることを公言してます。
全編81分ですが
同じ場面を別角度から撮ったおもしろい手法が使われています。
タランティーノ監督が得意とする時間軸をずらせた感じに似ています。
R-15指定
それほど残酷ではないですが
当事者や遺族にはつらいでしょう。
銃撃事件で生き残った者の苦悩を描いた
「ポップスター」と言う映画もあります。
デラックス版のDVDを購入して観ました。
特典には監督の来日時インタビューがあり
タイトルを「エレファント」にした理由や
セリフはすべてアドリブだったなどなど
興味深い話が聞けました。
以下 ネタバレ 感想あります
犯人のエリックとアレックスは
「今日死ぬんだよな」
「キスしたことないんだ」と言います。
事件を起こさなければこれからもっとたくさんの
経験が出来るのに…
エリックの弾く「エリーゼのために」
本当は心の美しい子だと感じました。
「中に入るな」「地獄を見るぞ」
いじめられていたエリックとアレックス。
いじめた奴だけではなく無差別に撃ちます。
見て見ぬふりした人間も同罪ということですか?
校長に改めるよう言います。
「エレファント」には大きな問題を見て見ぬふりをするという意味もあるようです。
ベニーだけが犯人に立ち向かおうとします。
エリックがアレックスを撃ちました。
1999年に起きたコロンバイン高校の事件では
犠牲者15名・負傷者24名
犯人2人は自殺したんですね。
通販であんなにも簡単に銃が手に入るのかと驚きましたが
実際は処分に困っていた男から買いました。
銃規制が進んでもアメリカでは今だに
銃乱射事件が絶えません。
この作品は内面描写なるものが一切排除されているようで。でもそれが逆に妙に生々しくてリアリティがある。自分の日常や現実に近いというか。本物っぽいというか。
たぶんすぐ身近で殺人があっても、その殺人者のドロドロしたあるいは灼熱してグルングルンになった内面なんて実感として伝わってこないだろうし、わりと淡々と表面的事実を眺めているだけだろう。
そうそう、ある日本の有名映画監督がこの映画を評して「もうちょっと犯行に至るまでの少年達の内面が描かれていればよかった」的なことを言っていたけど笑ってしまった。
この有名映画監督の作品、見たことないし今後も見ようとは思わんけど。