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ホワイト・ストライプスの『Under Blackpool Lights』は、彼らのライヴの雰囲気をかなり忠実に追体験できる作品だ。撮影は2004年1月、イングランドのブラックプールにあるエンプレス・ボールルームにて、8ミリ・カメラを使って行われた。ストライプスはデジタル・ミュージック向きのモダン・テクノロジーを敬遠するのが常で、代わりにヴィンテージもののギター、トラップ・キット、真空管アンプを用い、アメリカ的なテイストとブリティッシュ・インヴェイジョン的なケレン味の融合を目指す。かくして、フィードバックと強靭なビートの饗宴が全26曲にわたって展開、観客の縦揺れが止まらないコンサートとなった。粒子の粗い画像との相乗効果もあって、ムードは最高だ。ハイライトはドリー・パートンの「Jolene」のカバー、レッド・ベリーの「De Ballit of de Boll Weevil」のカバー、そしてバンド自身のチューン「Seven Nation Army」だろう。
本作の収録曲をCD(ビニール盤ならなお良し)で愛聴していたファンには、嬉しい驚きが待っている。いずれのナンバーも新たなアレンジで演奏されているからだ。ジャック・ホワイトは新たな楽節を付け加え、まるでハウリン・ウルフが隠していた秘密の酒をあおっているような歌いっぷりを見せる。メグ・ホワイトは素足でバス・ドラムを踏み鳴らしているが、表情も演奏も自信なさげ。どの曲でも片手を背中に回しているので(本当にずっとその姿勢なのだ)、ますます頼りなく見えてしまう。これと言った特典がなく、ひたすらロックを詰め込んだだけのディスクだが、ストライプスを心から愛するファンならば見て失望することはないはず。(Ryan Boudinot, Amazon.com)