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マーヴィン・ゲイは聖職者である父の影響を受けている傍らでドラッグを嗜む二面性があるし
自身がセックスシンボルである事に抵抗感を示すどころか、むしろそこに乗じていく気質など
そういったところが個人的には好きですね、「離婚伝説」を経ても全然懲りてない感じだったり…
それはさておき、モータウンの専属歌手として「脱皮」を目論んだ本作「ホワッツ・ゴーイン・オン」はかなり意欲的で、政治的で、背徳的で、ある種の独白であると思う、マーヴィン・ゲイ自身がこのアルバムを「神からの贈り物」と公言している事と、世の中はベトナム戦争真っ只中にあり、そこで自己の脱皮と、現状の救済を歌い上げるのはかなり勇気のいる事だと思う、ここでドラッグと免罪符という腑に落ちる図式が垣間見える訳です、神々しくもあり非常に人間臭い、その二面性に惹かれますね、どちらも認めているからでしょう、神の偉大さも、人間の尊厳も、もちろん日々の営みも、全てがフラットに溶け合うとこんな音楽になるという訳です、正直、これに比類する音楽はかなり少ないと思いますよ、ジョン・レノンのイマジンはかなり内向的な世界ですしね、世界が一つになるっていうのもオノ・ヨーコの思想だから、よって恐らくピンクフロイドの「狂気」とか、ジミヘンの「エレクトリック・レディランド」くらいしか比較対象がないと思いますね、もうそれくらいのアルバム、わざわざ自分が言わなくてもローリングストーン誌がオールタイムの偉大なアルバムとして6位に選出してました（確か）。僕はレアグルーヴ収集の一環として、たまたま聴いただけなんですけど一発で気に入りました、結果としてMobile Fidelity社のSACD一番愛聴してるかな。
次作予定だった「ユーアー・ザ・マン」がアルバムとして幻になったのがただただ残念でならない。
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