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山々に囲まれた田舎町。そこの小学生たちは皆、額の上で前髪をピッチリそろえたおかっぱ頭“吉野ガリ”で100年以上も統制されており、町の床屋「バーバー吉野」のおばちゃん(もたいまさこ)はそのヘンテコな伝統をかたくなに守っていた。しかし、ある日東京から転校生が現われ、吉野ガリのヘンテコさを指摘したことから、町は一大騒動へと発展していく…。
PFF出身の新鋭・荻上直子監督の長篇劇映画デビュー作。大自然の中、まるで修道士のように映る少年たちの思春期の始まりをみずみずしく捉えながら、悪しき(?)伝統と対峙していくコメディー映画である。ご想像の通り、もたいまさこが何とも言えない味わい深い怪演を見せてくれている。元少年だった立場の者からすると、劇中の少年たちはどことなく女性の視点で神格化されすぎているような違和感も覚えるが、これまで男性監督が少女を神格化する作品ばかり撮ってきた映画史的事実を振り返るに、これでおあいこといったところか。透明感あふれる全体のタッチには、この新鋭監督の未来を大いに期待させるものがあった。(的田也寸志)
レビュー
製作: 矢内廣/中村雅哉/児玉守弘/黒坂修/高野力 プロデューサー: 天野真弓 監督・脚本: 荻上直子 撮影: 上野彰吾 照明: 鳥越正夫 音楽監修: 井出博子 出演: もたいまさこ/米田良/大川翔太/村松諒/宮尾真之介/石田法嗣/岡本奈月/森下能幸/三浦誠己/たくませいこ/浅野和之/桜井センリ
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)