江戸アケミの入院直前ライヴと入院中の外出許可時のライブというドキュメントしかいいようのないライヴ盤。
おまえのいるところでロケンロールしろと言いながら,真摯にロケンロールと向き合った江戸アケミが壊れてしまったのは,ロケンロールをまとうするためには壊れざるを得ないのか,壊れているからロケンロールができるのか未だに分かりませんが,もがきながらも自分の信じるロケンロールをシャウトする江戸アケミには圧倒されます。けっして音的にどうとか,楽曲的にどうとか語れるアルバムではありません(個人的には音楽的完成度としては裸の王様が一番だと思っています。)が,それでもそういったもろもろを飛び越えて,スピーカーの前の私の心をギュッとわしづかみにしてしまう表現しなくてはいけないという切迫感がこの音源には詰め込まれています。