テクニックを嬉しそうに披露する筋肉バカでもないし、緻密綿密なアレンジを繰り返す知性派でもない。サウンドコラージュといいますか、演奏含む様々な音の素材を即興でレイヤーしていく、反射神経のよいポップアートみたいな感覚が、自分にとってはCANの一番の持ち味。
アルバムとしては、次作「Future Days」の方をよく聴くんですが、そのプリプロと思しきこの盤の、エッジがささくれだったグルーヴ感も捨てがたい。2000年代、若人がMars Volta辺りで出逢う新鮮な音楽観が、30年前にここでしれっと実践されていたかと思うと、あらためて感慨深いものがあります。