Japanese standard edition pressing of the acclaimed composer's 2004 album. 13 tracks in all featuring mostly piano from Sakamoto for commercials and movies including 'Merry Christmas Mr. Lawrence', '+33' (music for Louis Vuitton 150th Anniversary) & 'Seven Samurai' - ending theme (music for PS2 game 'Seven Samurai' 20XX). Warner.
安心してリラックスして聴いていられる良質のピアノ曲集だ。思ったより良かったので嬉しい驚きだった。癒しのピアノ曲が全体にバランスよく配置され、とても心地よく響いてくるので繰り返し何度も聴いている。冒頭から華やかでとてもいい。「Asience」はお馴染みアジエンスのCM曲。ラストの「Dear Liz」も元々はサントリーのCM曲で短い演奏ながら格好いい。「Perspective」はYMOのラストアルバム「サーヴィス」(中学の頃、友達にテープを借りて試験勉強に合い間にこっそり聴いていた)に収録されていて、一つだけ異彩を放つ美しいメロディーの曲だと思っていた。「Riot in Lagos」(坂本龍一のアルバム「B-2 UNIT」収録のナイジェリアの都市ラゴスの暴動にインスパイアされた曲)はワン・コード(Am)で書かれた曲で、細野さんが奇跡的な出来、YMOの理想の音と感心して第2回ワールド・ツアーのオープニングを飾った曲の、なんとピアノバージョンである。私はこれがピアノで表現できるとは信じ難かったので、聴くたびにさすが!といった感動がある。(「BTTB」収録の「Tong Poo」のピアノ一人連弾も良い。)名作「BEHIND THE MASK」に顕著だが、教授は《シンプルな音の重なりの見事な調和》を作り上げる事に非常に長けた才能を持つ作曲家でもある。簡単そうに見えてこれは実は相当難しい事なので(全部が全部そうではないけれど)なかには削ぎ澄まされた美しさを持つはっとするような曲もあって感心する。「Merry Christmas Mr.Lawrence」は映画「戦場のメリークリスマス」を中学一年の時に社会科の授業で拝見したことがあって、当時は「戦メリ」のサントラや初めて洋楽へ興味を持つきっかけとなったデヴィッド・ボウイの音楽がクラスでとても流行った。私もよく「戦メリ」の美しい旋律をピアノで弾いて遊んだりした。(竹を割るような響きの音が印象的だがピアノでは出せない。)
1996、BTTBに続く?アコースティックアルバムの登場だ。とにかく選曲がすばらしい。出目は、Riot in Lagos!、あのB2-UNITからではないか。往年のファンとしては、垂涎モノ間違いなし。近々では Asienceのテーマが売りか。いずれにしろ坂本のリリシズム全開のピアノを聴けるとは、多くの音楽ファンにとってうれしい限りである。年末を締めくくる期待の一枚。