どの選曲がベストか?
それは人それぞれの好みがあろうから、誰にとっても満足のゆく解答を用意するのは不可能なのかもしれない。
しかし、それにしたって・・・。
こんなに好きな曲、入ってしかるべきと考えてた曲が落ちてるベスト盤というのもあまり例を見ない。
※落選した候補曲として、フリニグロ・インターステラ、フリー・ユア・ソウル、プレジャー・イズ・キッスィズ・ウィズイン、ソフィーズ・ブレスツ、スプラッシュ、アフリカン・スペースクラフト、リキッド・サンシャイン 、フェイズド、スタビラー、アフロシュール・・・枚挙暇無し。
選者と自分の感性が合わなかったのか。もしくは自分のセンスが悪いのか。
かつて青春の友として愛聴していたオリジナルアルバム群を
近頃聴き返してみたら、昔は感じたことの無かった「苦しさ」がこみ上げてきた。
ノスタルジーみたいな生易しい感情ではない。
もっと貪欲なものだ。
つまり、齢を重ねるうちにルーズとユーモアの脂身でデップリ肥えた耳には、このミュージシャンが奏でる音はあまりに生真面目で剛直、筋張っていて食べづらいし胃にも溜まらない、という「空腹」の苦しみであったのです。
広がった胃袋はそう元には戻らない。
まるで青春を書き綴った1ページにイレイサーがかけられたよう。
落選だらけのベスト盤共々、寂しさを垣間見る時間がただ過ぎていったのでした。