個人的に今年の期待度ナンバーワンのタバコジュースの1stアルバム。フォーク・ブルースの根っこに、ゆるいダブという曲調がとてもお気に入りです。前作「青い鳥」では緩い方がよく出ていましたが、今作では1曲目「リトルボーイがやってくる」にぶっとびました。まるでボブディランの「欲望」を聴いたときのような歌詞がザクザクと突き刺さるフォークソング。
リトルボーイといえば広島に落ちた原爆の名前ですが、この曲ではリトルボーイ(=60年前の悲劇)から目を逸らすためのパーティを続けることで人間が新たな悲劇に突き進んでいくという内容になっています。彼らのダブ系ソングはパーティという言葉がよく出てきますが、この曲に限っては「パーティ」が自虐的ともいえる隠喩として使われています。syrup16gのプロデュースのためかこれまでになかった新たな魅力といえるでしょう。
この作品もいいですが、個人的にはこれまでの2枚のミニアルバム等もおすすめです。