最近良質の作品が少ないオカルト・ホラーという事で、
ちょっと気になり期待の意味を込めて買ってみた。
実際にパッケージにもオカルト・ホラーと書かれているが、
フタを開けてみるとお助け幽霊モノのドラマ in サイコ・スリラーだった。
話としては過去に異常な殺人犯に殺されたり、
死後の世界への案内人を失った亡霊たちが、
そんな自分たち亡霊とコンタクトが取れて、
強引に死後の案内人にまつり上げた主人公にヒントを示唆し、
場合によっては尻を叩きながら犯人を突き詰めさせるといったものだ。
「得体の知れない亡霊たちは何を語ろうとしているのか?」
という不気味な亡霊モノの先入観を持っていると意表を突かれる。
この作品の亡霊たちは普通に街中にいる人間と変わらない。
かえって生きている人間の方が無機質に感じられるぐらいに、
スタイリッシュでアットホームでフレンドリーなのだ。
視覚的に亡霊っぽくないのもそう感じさせる要因かもしれない。
偶然にも若い女幽霊のスカートの中を見てしまって、
「スケベ」と非難される主人公のシーンは、
あまりの人間臭さに思わず鼻血が出てしまう。
見終わってみたらこの作品は幽霊たちとのドラマであり、
謎解きのスリラー要素はオプションである事に気付いた。
まあ、半々といったところか。
主人公はいい味を出している。