カラフルなジャケットがかっこいいこの作品。全体的にはディスコっぽい音がいい具合に時代を感じさせてくれます。
まずはアルバムのタイトルにもなっているオープニング・ナンバー『Never Gonna Leave You』。裏打ちのリズムもいい味出していますが、何よりもマリアン・ファーラのヴォーカルでしょう。気怠いようでありながら絶妙にリズムを乗りこなす歌声に耳を奪われます。“チュ、チュ、チュ〜”と入ってくるコーラスも雰囲気たっぷりでいい。
一気に陽性になる『Forget That Girl』もいいですね。『Never Gonna Leave You』と比べると明らかに力強さを感じるヴォーカルとストリングスの絡みが素晴らしい。ここでもリズムは裏打ち。『Do Those Little Things』も明るいメロディを持つ曲ですが、この曲ではベースが柱になっています。ただ、もうちょっとメロディアスだったら最高だったんですけどね。
まるでボビー・ウーマックの名作『Across the 110th Street』を連想させるような低い声の語りからスタートする『You Got To Be The One』はフワフワとしたマリアン・ファーラのヴォーカルとストリングスがゆったりと景色を織りなしていくナンバー。
そしてシングル・カットされた『Stoned Out Of My Mind』。元々は73年にリリースされたシャイ・ライツのナンバーですが、かなりディスコ・ライクにリメイクされていますね。ただ、この曲を書いたのがユージン・レコードとバーバラ・アクリンという超強力なコンビだけにもうメロディが素晴らしく、とろけそうになります。
さらに続く『Living In The Footsteps Of Another Girl』もオリジナルはシャイ・ライツです。こちらはかなり原曲に近い仕上がりですね。
超名曲というものはありませんが、聴いていると気分が高揚してくる憎めない作品です。