中学・高校と吹奏楽部で金管楽器を吹いていた50代の者です。
昨年、大ヒットした矢口史靖監督の映画『スウィングガールズ』のジャズバンドの演奏に圧倒され、感動したので、このようなブラスのコンビレーション版に出会うとすぐに購入してしまいます。
ブラスロックバンドとして長いキャリアを誇るシカゴの「イン・ザ・ムード」は、グレン・ミラー楽団の演奏とは一味も二味も違いましたが、シカゴらしいロック・テイストあふれるビッグバンドジャズに仕上がっていました。昔、「長い夜」を聴いて好きになったシカゴとは少し雰囲気も違っていましたが、30数年の音楽シーンを生き抜いてきたバンドの持つ演奏ですので悪いはずはありません。
カルロス菅野が率いるラテン・ビッグ・バンドの熱帯ジャズ楽団による「シング・シング・シング」は、とても現代的な音がしていました。あのジーン・クルーパーの伝説のドラムで始まるベニー・グッドマン楽団のオリジナルサウンドが大好きでした。この熱帯ジャズ楽団の演奏は、もっとホーンセクションが鳴っているように感じました。確かに、スピード感もありオシャレなサウンドです。個人的には、あの超人的なジーン・クルーパーの演奏に惹かれます。年のせいでしょうか。
最後の曲は、チェイスの「黒い炎」です。ブラスロックバンドだったチェイスの大ヒット曲です。4本のトランペットのハイ・ノートがとてもきまっています。高音のサウンドは、聴いている者に快感さえ覚えさせます。当時、同様の音楽を演奏していたトランペットのメイナード・ファーガソンのサウンドを思い出しました。
このCDは、私のような昔のスゥイング・ジャズの好きなブラス・ファンだけでなく、若い世代のロック・ファンにもオススメします。