この巻の『表』…は彼が最高でしょう(^^)
決して美男ではないし、武骨で融通の利かないトコもあるが、情に厚く、義理堅く、良い意味で軍人気質なマクシミリアン・モレル大尉。
あんな告白をぶちかます愛すべき馬鹿者…若者は、このドロドロした愛憎復讐劇に吹く爽やかな風とでもいいましょうか。
それはさておき、『裏』ではジワジワと伯爵の復讐の下ごしらえが進みます。
リベンジメインディッシュの三人の男を集めたり、彼等を追い詰めるために、その妻や息子に取り入っていく…。
マクシミリアンにはくすりと微笑まされ、
伯爵には、思わずにやりとさせられてしまう…
そしてどちらの男も応援したくなる…。
まさしく人間が誰しも持つ善悪両面の欲求を満たしてくれる、なんとも不思議な作品ですよね。
爽やかに微笑みつつ、邪悪に浸りたい方には、この『厳窟王』を是非お薦めしますよ。